Part5で「by car」「at night」のような表現に冠詞を付けるべきか迷ったことはありませんか?
「いつ冠詞を省略するのか、ルールがよく分からない」という悩みを抱える学習者は本当に多いんです。
実は、冠詞の省略には明確なパターンがあり、それを知れば確実に正解を選べるようになります。
今回は、600点レベルで頻出する冠詞省略の慣用表現を、覚えやすい分類と共にお伝えします。
冠詞省略がPart5で重要な理由
まず、なぜ冠詞省略の習得が重要なのかを確認しましょう。
冠詞の省略は、Part5全30問中、年間約2-3問出題される重要な文法項目です。
特に600点レベルでは、以下の特徴があります。
- 慣用表現として覚える必要がある
- パターンが決まっているので対策しやすい
- ビジネス文脈でよく使われる
つまり、この記事をマスターすれば、確実に2-3点アップが期待できるんです。
冠詞省略の基本ルール
冠詞省略について、基本的なルールを確認しましょう。
冠詞省略の原則
一般的に、以下の場合に冠詞が省略されます。
- 慣用表現・熟語
- 交通手段を表す場合
- 時間表現
- 場所の機能を表す場合
- 抽象概念を表す場合
冠詞を付ける場合との違い
冠詞なし:概念や機能を表す 冠詞あり:具体的な物や場所を表す
例:
- go to school(学校に通う)vs go to the school(その学校に行く)
- by car(車で)vs by the car(その車のそばで)
分野別:頻出慣用表現20選
覚えやすいように分野別に整理しました。
交通手段(4表現)
交通手段を表す場合、冠詞は省略されます。
- by car(車で)
- by train(電車で)
- by bus(バスで)
- by plane/by air(飛行機で)
例文:
✅ I usually go to work by car.
(私は普通車で通勤します)
❌ I usually go to work by a car.
時間表現(4表現)
特定の時間帯を表す場合、冠詞が省略されます。
- at night(夜に)
- at noon(正午に)
- at midnight(真夜中に)
- by day(昼間に)
例文:
✅ The office is closed at night.
(オフィスは夜間閉鎖されています)
❌ The office is closed at the night.
場所の機能(6表現)
場所の機能や目的を表す場合、冠詞が省略されます。
- go to school(学校に通う)
- go to work(仕事に行く)
- go to bed(寝る)
- at home(家で)
- at work(職場で)
- in hospital(入院中)
例文:
✅ She goes to work early every morning.
(彼女は毎朝早く仕事に行きます)
❌ She goes to the work early every morning.
抽象概念・状態(3表現)
抽象的な概念や状態を表す場合、冠詞が省略されます。
- by mistake(間違いで)
- by chance(偶然に)
- in fact(実際に)
例文:
✅ I sent the email to the wrong person by mistake.
(私は間違いで違う人にメールを送ってしまいました)
❌ I sent the email to the wrong person by a mistake.
その他の重要表現(3表現)
その他のビジネスでよく使われる表現です。
- on foot(徒歩で)
- by hand(手で)
- in advance(事前に)
例文:
✅ Please register in advance.
(事前に登録してください)
❌ Please register in the advance.
Part5での頻出パターン4選
冠詞省略は、Part5で主に以下の4つのパターンで出題されます。
パターン1:交通手段の選択
最も頻出するのが、交通手段での冠詞判断です。
例題:
Most employees commute to the office _____ public transportation.
(A) by
(B) by a
(C) by the
(D) with
正解は(A)です。 交通手段は「by + 無冠詞」のパターンなので、「by」のみが適切です。
パターン2:時間表現の判断
時間表現での冠詞省略を問う問題です。
例題:
The security system is automatically activated _____ night.
(A) at
(B) at a
(C) at the
(D) in
正解は(A)です。 「at night」は慣用表現なので、冠詞は不要です。
パターン3:場所の機能表現
場所の機能を表す表現での判断問題です。
例題:
After the meeting, everyone went back _____ work.
(A) to
(B) to a
(C) to the
(D) for
正解は(A)です。 「go to work」は「仕事に行く」という慣用表現なので、冠詞は不要です。
パターン4:抽象概念の表現
抽象的な概念での冠詞判断問題です。
例題:
The error occurred _____ mistake during data entry.
(A) by
(B) by a
(C) by the
(D) with
正解は(A)です。 「by mistake」は「間違いで」という慣用表現なので、冠詞は不要です。
冠詞ありとの使い分け
同じ単語でも、冠詞の有無で意味が変わります。
重要な使い分け例
school の場合:
- go to school:学校に通う(教育を受ける)
- go to the school:その学校という建物に行く
work の場合:
- go to work:仕事に行く(働きに行く)
- go to the work:その作品・仕事を見に行く
hospital の場合:
- in hospital:入院中(患者として)
- in the hospital:病院の建物内にいる
ビジネス文脈での使い分け
例文:
✅ She's at work now.(彼女は今働いています)
✅ She's at the work site.(彼女は作業現場にいます)
✅ I go to school.(私は学校に通っています)
✅ I went to the school to pick up my daughter.(娘を迎えにその学校に行きました)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 慣用表現への冠詞付加:by carにtheを付けてしまう
- 具体性との混同:機能表現に具体的な冠詞を付ける
- 日本語の直訳:「その夜に」をat the nightと訳してしまう
特に慣用表現の暗記不足は、多くの人が失点する原因です。 頻出表現は例外として覚える必要があります。
確実に正解するための3ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:慣用表現の確認
まず、慣用表現かどうかを確認します。
- 交通手段、時間、場所の機能表現かチェック
- 覚えた20表現に該当するかチェック
ステップ2:具体性の判断
次に、具体的な物を指しているかを判断します。
- 特定の物 → 冠詞必要
- 概念・機能 → 冠詞不要
ステップ3:文脈での最終確認
最後に、文脈で自然かを確認します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:Many people prefer to travel _____ train rather than by car.
(A) by
(B) by a
(C) by the
(D) on
まず慣用表現かどうかを確認してみてください。
正解は(A)です!
「by train」は交通手段を表す慣用表現なので、冠詞は不要です。 「by car」と同じパターンで、「by + 交通手段」は無冠詞が基本です。
問題2:The building is used as a conference center _____ day and a hotel _____ night.
(A) by / at
(B) by the / at the
(C) in / in
(D) during / during
正解は(A)です!
「by day」(昼間に)と「at night」(夜に)は両方とも時間を表す慣用表現なので、冠詞は不要です。
600点突破のための応用テクニック
600点レベルでは、より複雑な冠詞問題も出題されます。
応用パターン1:複合表現
She decided to quit her job and go back _____ school to study business administration.
(A) to
(B) to a
(C) to the
(D) for
正解は(A)です。 「go back to school」は「学校に戻る(学習のため)」という慣用表現です。
応用パターン2:前置詞との組み合わせ
The package was delivered _____ hand to ensure security.
(A) by
(B) by a
(C) by the
(D) with
正解は(A)です。 「by hand」は「手で」という慣用表現なので、冠詞は不要です。
効率的な覚え方
20の慣用表現を効率的に覚えるコツがあります。
覚え方1:分野別グループ化
同じ分野でまとめて覚えましょう。
- 交通:by car, by train, by bus, by plane
- 時間:at night, at noon, at midnight, by day
- 場所:go to school, go to work, at home, at work
覚え方2:対比で覚える
冠詞ありとの対比で覚えると効果的です。
- go to school(通学)vs go to the school(建物へ)
- by car(車で)vs by the car(車のそばで)
覚え方3:例文で覚える
文章の中で覚えると記憶に残りやすいです。
I go to work by car, but sometimes I walk at night.
(私は車で通勤しますが、時々夜に歩きます)
まとめ
冠詞省略のポイントは、慣用表現として覚えることです。
この記事で紹介した20の表現を覚えれば、Part5での冠詞問題が確実に解けるようになります。
特に交通手段と時間表現は、600点レベルで頻出する重要なパターンです。 ぜひ今日から実践して、冠詞問題を得点源にしてくださいね!