700点は取れたけれど、そこから伸び悩んでいませんか?
「基本的な問題は解けるのに、なかなか730点に届かない」という悩みを抱えている中級者の方は多いです。
実は、700点レベルの中級者には特有の「罠」があります。 この罠にはまってしまうと、いくら勉強してもスコアが上がりません。
今回は、中級者が陥りがちな5つの罠と、それぞれの具体的な対策法をお伝えします。 この罠を回避すれば、確実に730点を突破できるようになります。
中級者が陥る罠の特徴
まず、700点レベルの中級者特有の罠の特徴を理解しましょう。
特徴1:基礎知識への過信
基本的な文法は理解しているため、「もう文法は大丈夫」と思い込んでしまいます。
しかし、TOEIC Part5では基本文法の微妙な違いや例外的な用法が問われることが多いです。
特徴2:パターン認識の限界
よく出るパターンは覚えているものの、少し形が変わると対応できなくなります。
TOEICは同じパターンでも、微妙に変化を加えて出題してくるからです。
特徴3:時間配分の甘さ
基本問題は素早く解けるため、時間配分が甘くなりがちです。
難しい問題で時間をかけすぎて、後半の確実に解ける問題に影響が出ます。
特徴4:正答率への満足
Part5で8割程度正解できるため、「これで十分」と思ってしまいます。
しかし、730点突破には8.5割以上の正答率が必要です。
罠1:語彙問題での思い込み
よくある失敗パターン
単語の意味を「何となく」で判断してしまう
例:
The company will _____ a new policy next month.
(A) implement
(B) imply
(C) implicate
(D) implicit
中級者は「implement = 実施する」を知っているため、すぐに(A)を選びます。 しかし、他の選択肢の細かい意味の違いを確認せずに答えてしまいがちです。
この罠にハマる理由
- 部分的な語彙知識: 単語の一面的な意味しか知らない
- 文脈無視: 文全体の意味を考えずに解答
- 確認不足: 他の選択肢を詳しく検討しない
具体的な対策法
対策1:語彙の多面性を理解する
1つの単語が複数の意味を持つことを意識しましょう。
例:「address」
- 住所(名詞)
- 取り組む(動詞)
- 演説する(動詞)
対策2:類義語の微細な違いを学ぶ
似た意味の語彙の使い分けを重点的に学習します。
例:
- affect(影響を与える)vs effect(効果・結果)
- economic(経済の)vs economical(経済的な・節約の)
対策3:文脈判断力を鍛える
単語の意味だけでなく、文全体から適切な語彙を選ぶ練習をします。
練習問題で確認
The new software will significantly _____ productivity.
(A) enhance
(B) enlarge
(C) increase
(D) expand
解答のポイント:
- enhance:質を向上させる
- increase:量を増やす
- 「productivity(生産性)」には質的向上の「enhance」が最適
罠2:文法問題での細かい例外
よくある失敗パターン
基本ルールを覚えているが、例外的な用法に対応できない
例:
The meeting is scheduled _____ 3 PM.
(A) at
(B) on
(C) in
(D) for
中級者は「時刻にはat」というルールを知っているため、(A)を選びます。 しかし、「scheduled for」という慣用表現の存在を見落としがちです。
この罠にハマる理由
- ルールの絶対視: 基本ルールが全ての場面で適用されると思い込む
- 慣用表現の不足: 決まった言い回しの知識が不十分
- 文脈軽視: 動詞と前置詞の組み合わせを見落とす
具体的な対策法
対策1:動詞と前置詞の組み合わせを覚える
よく出る動詞+前置詞の組み合わせをセットで覚えましょう。
- depend on(〜に依存する)
- comply with(〜に従う)
- result in(〜という結果になる)
対策2:例外的な用法を整理する
基本ルールの例外パターンをリスト化して覚えます。
時間の前置詞の例外:
- in the morning/afternoon/evening
- at night/noon/midnight
- on weekends/holidays
対策3:コロケーションを意識する
単語同士の自然な組み合わせを覚えます。
- make a decision(決定を下す)
- take measures(措置を取る)
- conduct research(研究を行う)
練習問題で確認
The report was submitted _____ schedule.
(A) on
(B) in
(C) at
(D) by
解答のポイント:
「on schedule」は「予定通りに」という意味の慣用表現
罠3:品詞問題での形の類似性
よくある失敗パターン
似た形の語に惑わされる
例:
The _____ of the project was discussed at the meeting.
(A) succeed
(B) success
(C) successful
(D) successfully
中級者は「冠詞の後は名詞」というルールを知っているため、名詞を探します。 しかし、(B)と(C)で迷ってしまうことがあります。
この罠にハマる理由
- 語尾の混同: -ful と -tion の区別が曖昧
- 品詞変化の不完全理解: 語根から派生語への変化パターンが不十分
- 確認不足: 選択後の文法チェックが甘い
具体的な対策法
対策1:語尾パターンを完璧に覚える
品詞を示す語尾パターンを体系的に覚えましょう。
名詞の語尾:
- -tion, -sion, -ment, -ness, -ty, -cy
形容詞の語尾:
- -ful, -less, -ous, -ive, -able, -ible
副詞の語尾:
- -ly, -ward, -wise
対策2:文での役割を確認する習慣
選択肢を入れた後、文法的に正しいかを必ず確認します。
対策3:派生語のセットで覚える
語根から派生する全ての品詞をセットで覚えます。
例:
- success(名詞)- successful(形容詞)- successfully(副詞)- succeed(動詞)
練習問題で確認
The manager spoke _____ about the new policy.
(A) enthusiasm
(B) enthusiastic
(C) enthusiastically
(D) enthusiast
解答のポイント:
動詞「spoke」を修飾するので副詞が必要
罠4:時制問題での微妙な時間感覚
よくある失敗パターン
基本的な時制は分かるが、微妙な時間のニュアンスを見落とす
例:
By the time the meeting starts, I _____ all the reports.
(A) will finish
(B) will have finished
(C) have finished
(D) finished
中級者は「by the time」を見て未来を表すと判断しますが、完了の概念を見落としがちです。
この罠にハマる理由
- 時制の段階的理解不足: 完了形の「完了」概念が曖昧
- 時間軸の認識不足: 複数の時点の関係性が不明確
- 慣用表現の軽視: 決まった時制を使う表現への注意不足
具体的な対策法
対策1:完了形の概念を明確化する
完了形は「ある時点までの完了」を表すことを意識しましょう。
- 現在完了:過去から現在までの完了
- 過去完了:過去のある時点までの完了
- 未来完了:未来のある時点までの完了
対策2:時間を表す語句をマスターする
特定の時制と組み合わせる語句を覚えます。
未来完了とセット:
- by the time...
- by tomorrow/next week
- before...(未来の時点)
対策3:時間軸を図式化する
複雑な時制問題では、時間軸を頭の中で図式化して考えます。
練習問題で確認
When you arrive, the presentation _____ for an hour.
(A) will run
(B) will be running
(C) will have been running
(D) runs
解答のポイント:
「あなたが到着する時点で、1時間継続している」→未来完了進行形
罠5:過度な時間短縮志向
よくある失敗パターン
速く解くことを重視しすぎて、確認を怠る
中級者は基本問題を素早く解けるため、全ての問題を同じペースで解こうとします。 結果として、慎重に考えるべき問題でミスをしてしまいます。
この罠にハマる理由
- 自信過剰: 基本問題が解けることで全体的に自信を持ちすぎる
- 一律の時間配分: 問題の難易度に関係なく同じ時間で解こうとする
- 見直し軽視: 時間節約のために見直しを省略する
具体的な対策法
対策1:問題の難易度別時間配分
問題の種類に応じて時間配分を変えましょう。
- 易しい問題(60%): 15秒以内
- 標準問題(30%): 30秒以内
- 難しい問題(10%): 45秒以内
対策2:選択的な見直し戦略
全問見直しではなく、特定の問題タイプのみ見直します。
見直し対象:
- 語彙問題で迷った問題
- 時制問題
- 前置詞問題
対策3:精度重視の練習
速度より精度を重視した練習を取り入れます。
週2-3回は時間を気にせず、確実に正解することを目標に練習しましょう。
実践的な時間管理
Problem 1-10: 3分(易しい問題中心)
Problem 11-20: 5分(標準〜難問題)
Problem 21-30: 4分(仕上げ)
見直し: 3分(選択的見直し)
合計: 15分
中級者のための総合対策
5つの罠を回避するための総合的な対策です。
日常学習での注意点
1. 弱点の客観的分析
定期的に模試を受けて、どの罠にはまりやすいかを分析しましょう。
2. 段階的なレベルアップ
基本→応用→実践の順序で、無理のないレベルアップを心がけます。
3. 継続的な語彙学習
中級レベルの語彙を毎日10-20語ずつ覚えていきます。
本番での心構え
1. 完璧主義の回避
全問正解を目指さず、25-27問正解を目標にします。
2. 冷静な判断
迷った時は、最初の直感を信じることも大切です。
3. 時間配分の厳守
事前に決めた時間配分を必ず守ります。
730点突破のための最終ステップ
必要な正答率:85%以上(25-26問正解)
この正答率を安定して出すために:
- 語彙力を1000語レベルまで拡張
- 文法の例外パターンを100個マスター
- 毎日Part5を20問解く習慣
- 週1回の弱点分析と対策
まとめ
700点レベルの中級者が陥る5つの罠は:
- 語彙問題での思い込み - 文脈を考慮した語彙選択
- 文法問題での細かい例外 - 慣用表現とコロケーションの学習
- 品詞問題での形の類似性 - 派生語の体系的理解
- 時制問題での微妙な時間感覚 - 完了形の概念の明確化
- 過度な時間短縮志向 - 問題別時間配分の最適化
これらの罠を意識して対策すれば、確実に730点を突破できます。
中級者の壁を乗り越えて、さらなるスコアアップを目指しましょう!