Part5で「Who doesn't want to succeed?」のような疑問文が出てきたとき、これが普通の疑問文と違うことに気づいていますか?
「疑問文なのに答えを求めていない感じがする」「文脈的に質問として不自然」という違和感を感じたことがあるかもしれません。
実は、これは修辞疑問文と呼ばれる特殊な表現で、TOEICでは年間約1-2問出題される上級レベルの重要項目なんです。
今回は、730点以上を目指す学習者向けに、修辞疑問文の見分け方と3つの主要パターンを詳しく解説します。
修辞疑問文とは?
修辞疑問文を簡単に説明すると、答えを期待せず、強調や感情表現のために使われる疑問文のことです。
通常の疑問文と比較してみましょう。
通常の疑問文:
What time is it?(何時ですか?)→ 答えが欲しい
修辞疑問文:
Who doesn't love success?(成功を愛さない人がいるでしょうか?)→ 答えは明らか
プレゼンテーションで例えると: 「皆さんは成功したくないですか?」→ 答えは明らかに「したい」 このように、答えが自明な質問を投げかけることで、聞き手の同意を得る効果があります。
修辞疑問文の3つのパターン
TOEICで出題される修辞疑問文を3つのパターンに分けて解説します。
パターン1:否定形での強調
基本構造:
否定語 + 疑問文
このパターンは肯定的な内容を強調するために使われます。
よく使われる表現
Who doesn't...?(〜しない人がいるでしょうか?)
Who doesn't want to improve their skills?
(スキルを向上させたくない人がいるでしょうか?)
→ 意味:誰もがスキルを向上させたい
What company doesn't...?(〜しない会社があるでしょうか?)
What company doesn't value customer satisfaction?
(顧客満足を重視しない会社があるでしょうか?)
→ 意味:どの会社も顧客満足を重視している
Why wouldn't...?(なぜ〜しないことがあるでしょうか?)
Why wouldn't we invest in new technology?
(なぜ私たちが新技術に投資しないことがあるでしょうか?)
→ 意味:当然投資すべきだ
パターン2:当然の結果を示唆
基本構造:
明らかな答えを持つ疑問文
このパターンは当然の結論を導くために使われます。
よく使われる表現
How can we...?(どうやって〜できるでしょうか?)
How can we ignore such excellent results?
(このような素晴らしい結果を無視できるでしょうか?)
→ 意味:無視することはできない
What more could...?(これ以上何を〜できるでしょうか?)
What more could we ask for in a team member?
(チームメンバーにこれ以上何を求められるでしょうか?)
→ 意味:これ以上求めるものはない
Where else can...?(他にどこで〜できるでしょうか?)
Where else can you find such competitive prices?
(他にどこでこのような競争力のある価格を見つけられるでしょうか?)
→ 意味:他では見つけられない
パターン3:感情的な強調
基本構造:
感情を込めた疑問文
このパターンは驚きや感動を表現するために使われます。
よく使われる表現
Isn't it...?(〜ではありませんか?)
Isn't it amazing how technology has advanced?
(技術がどれほど進歩したか、驚くべきことではありませんか?)
→ 意味:本当に驚くべきことだ
Can you believe...?(〜を信じられますか?)
Can you believe how much the market has grown?
(市場がどれほど成長したか信じられますか?)
→ 意味:信じられないほど成長した
Wouldn't you agree...?(〜に同意しませんか?)
Wouldn't you agree that quality is our priority?
(品質が私たちの優先事項であることに同意しませんか?)
→ 意味:当然同意するはずだ
修辞疑問文の見分け方
通常の疑問文と修辞疑問文を区別するテクニックをお教えします。
見分け方1:文脈チェック
通常の疑問文:具体的な情報を求めている 修辞疑問文:答えが文脈から明らか
見分け方2:答えの予測可能性
通常の疑問文:答えが複数考えられる 修辞疑問文:答えが一つに決まっている
見分け方3:話し手の意図
通常の疑問文:情報収集が目的 修辞疑問文:強調や同意を求めることが目的
TOEICでの出題パターン
修辞疑問文は、Part5で年間約1-2問出題されます。
出題パターン1:適切な語句選択
修辞疑問文に適した語句を選ぶ問題です。
例題:
Who _____ want to work for such a successful company?
(A) doesn't
(B) don't
(C) isn't
(D) aren't
正解は(A)です。 修辞疑問文で「誰もが働きたい」ことを強調するためdoesn'tが適切です。
出題パターン2:文脈に適した表現
文脈から修辞疑問文として適切な表現を選ぶ問題です。
例題:
_____ we celebrate this tremendous achievement?
(A) Should
(B) Shouldn't
(C) Will
(D) Won't
正解は(B)です。 修辞疑問文として「当然祝うべきだ」という意味でShouldn'tが適切です。
ビジネス英語での使用場面
TOEICはビジネス英語のテストなので、実際の使用場面も理解しておきましょう。
プレゼンテーションで
Who doesn't want to increase productivity? (生産性を向上させたくない人がいるでしょうか?)
What company wouldn't benefit from this solution? (このソリューションから恩恵を受けない会社があるでしょうか?)
会議で
How can we ignore such compelling data? (このような説得力のあるデータを無視できるでしょうか?)
Isn't it time we made a decision? (決断を下す時ではありませんか?)
営業・マーケティングで
Where else can you find such quality at this price? (この価格でこのような品質を他のどこで見つけられるでしょうか?)
Wouldn't you agree that customer satisfaction is key? (顧客満足が鍵であることに同意しませんか?)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
1. 字面通りの理解
修辞疑問文を文字通りの疑問文として理解してしまう。
修辞疑問文:
Who doesn't love good coffee?
意味:
誰もが良いコーヒーを愛している
2. 答えを考えてしまう
修辞疑問文に対して具体的な答えを考えてしまう。
3. 適切な応答の選択
修辞疑問文への応答として、同意を示す表現を選ぶべき。
効果的な学習法
修辞疑問文を効率的に学習する方法をご紹介します。
1. パターン別暗記
否定強調型:
Who doesn't...? What...doesn't...?
当然結果型:
How can we...? What more could...?
感情強調型:
Isn't it...? Can you believe...?
2. 文脈理解
修辞疑問文が使われる場面と目的を理解する。
3. 音読練習
適切なイントネーションで音読し、修辞疑問文の「感じ」を掴む。
4. 変換練習
平叙文を修辞疑問文に変換する練習をする。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ company wouldn't want to reduce costs while maintaining quality?
(A) What
(B) Which
(C) How
(D) Where
修辞疑問文のパターンを思い出してみてくださいね。
正解は(A)です!
「コストを削減しながら品質を維持したくない会社があるでしょうか?」という修辞疑問文で、Whatが適切です。 答えは明らかに「そんな会社はない」=「どの会社も望んでいる」という意味になります。
問題2:How _____ we ignore such impressive sales figures?
(A) can
(B) should
(C) will
(D) must
正解は(A)です!
「このような印象的な売上数字を無視できるでしょうか?」という修辞疑問文で、canが適切です。 「無視することはできない」という強い肯定の意味を表します。
まとめ
修辞疑問文のポイントは、答えを期待しない強調表現として理解することです。
この記事で紹介した3つのパターンを覚えれば、Part5の上級問題にも対応できます。
- 否定形での強調(誰もが〜する)
- 当然の結果を示唆(〜するのは当然)
- 感情的な強調(〜は素晴らしい)
730点以上を目指すなら、この高度な表現を確実にマスターしましょう!