「He said he was busy.」この文が正しい理由、説明できますか?
Part5の話法転換問題で「時制がなぜ変わるの?」と疑問に思ったこと、ありますよね。
実は、話法転換には5つの明確なルールがあり、これらを覚えれば迷うことなく正解を選べるようになります。
今回は、TOEIC頻出の話法転換パターンを、間違えやすいポイントと一緒に完全解説します!
話法転換の基本概念
まず、話法転換とは何かを整理しましょう。
直接話法:誰かが言った言葉をそのまま引用符で表現
間接話法:誰かが言った内容を、話し手の視点で言い換えて表現
日常生活で例えると、友人からのメッセージを他の人に伝えるときのようなものです。
直接話法:田中さんが「明日会議があります」と言った
間接話法:田中さんは明日会議があると言った
英語でも同じように、相手の言葉を自分の視点で伝え直すのが間接話法なんです。
話法転換の5つの変換規則
話法転換では、以下の5つの要素が変化します。
規則1:時制の変化(最重要)
基本ルール:主節の動詞が過去形なら、従属節の時制を1つ過去にずらす
直接話法: He said, "I am busy."
間接話法: He said (that) he was busy.
直接話法: She said, "I will attend the meeting."
間接話法: She said (that) she would attend the meeting.
時制変化の対応表:
- 現在形 → 過去形
- 過去形 → 過去完了形
- 現在完了形 → 過去完了形
- will → would
- can → could
- may → might
規則2:人称の変化
基本ルール:話し手の視点に合わせて人称代名詞を変更
直接話法: He said, "I am ready."
間接話法: He said (that) he was ready.
直接話法: She told me, "You should try harder."
間接話法: She told me (that) I should try harder.
規則3:指示語の変化
基本ルール:話し手の位置に合わせて指示語を調整
直接話法: He said, "This document is important."
間接話法: He said (that) that document was important.
直接話法: She said, "I'll do it now."
間接話法: She said (that) she would do it then.
主な変化:
- this → that
- these → those
- here → there
- now → then
- today → that day
- tomorrow → the next day
- yesterday → the day before
規則4:疑問文の語順変化
基本ルール:疑問文は肯定文の語順に変更
直接話法: He asked, "What time is it?"
間接話法: He asked what time it was.
直接話法: She asked, "Are you coming?"
間接話法: She asked if/whether I was coming.
規則5:命令文の変化
基本ルール:命令文は不定詞(to + 動詞の原形)を使用
直接話法: He said, "Please call me later."
間接話法: He asked me to call him later.
直接話法: She said, "Don't be late."
間接話法: She told me not to be late.
TOEIC頻出パターンと実戦対策
Part5でよく出る話法転換のパターンを見ていきましょう。
パターン1:時制の一致問題
最も頻出するのが時制の一致に関する問題です。
例題:
The manager said that the project _____ completed by next month.
(A) will be
(B) would be
(C) is
(D) was
正解は(B)です。 主節のsaidが過去形なので、will → wouldに変化します。
パターン2:疑問文の間接話法
疑問詞を使った間接疑問文のパターンです。
例題:
She asked me _____ the meeting would start.
(A) what time
(B) what time did
(C) at what time did
(D) when did
正解は(A)です。 間接疑問文では通常の語順(主語+動詞)を使います。
パターン3:命令文の間接話法
tellやaskを使った命令の間接話法です。
例題:
The supervisor told us _____ the deadline.
(A) don't miss
(B) not miss
(C) not to miss
(D) to not miss
正解は(C)です。 否定の命令文はnot to + 動詞の原形で表現します。
時制の一致の例外パターン
話法転換には、時制を変えない例外的なケースもあります。
例外1:一般的事実・真理
直接話法: He said, "Water boils at 100 degrees."
間接話法: He said (that) water boils at 100 degrees.
科学的事実や一般常識は時制を変えません。
例外2:現在でも成り立つ状況
直接話法: She said, "I live in Tokyo."
間接話法: She said (that) she lives in Tokyo.
現在でも継続している状況は、現在形のままでも構いません。
例外3:過去の習慣(used to/would)
直接話法: He said, "I used to play tennis."
間接話法: He said (that) he used to play tennis.
used toやwouldで表される過去の習慣は変化しません。
よくある間違いと対策
日本人学習者が特に間違えやすいポイントをチェックしましょう。
間違い1:時制変化を忘れる
❌ 間違い:He said that he is busy. ✅ 正解:He said that he was busy.
主節が過去形なら、従属節も過去形に変える必要があります。
間違い2:疑問文の語順を間違える
❌ 間違い:She asked what time was it. ✅ 正解:She asked what time it was.
間接疑問文では、疑問詞の後は通常の語順(主語+動詞)を使います。
間違い3:人称変化を忘れる
❌ 間違い:He said that I was tired. ✅ 正解:He said that he was tired.
話し手の視点に合わせて人称を変更することを忘れがちです。
覚えやすい暗記法
話法転換のルールを覚えやすくするコツをご紹介します。
コツ1:「1つ過去」の法則
時制は基本的に「1つ過去にずらす」と覚えましょう。
- 現在 → 過去
- 過去 → 過去完了
- 未来 → 過去未来(would)
コツ2:「距離感」で覚える指示語
話し手から見て「遠くなる」イメージで覚えます。
- this(近い)→ that(遠い)
- here(ここ)→ there(そこ)
- now(今)→ then(その時)
コツ3:疑問文は「普通の文」にする
間接疑問文は「疑問詞 + 普通の文の語順」と覚えましょう。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The CEO announced that the company _____ a new product next year.
(A) will launch
(B) would launch
(C) launches
(D) launched
どれが正解か分かりましたか?
正解は(B)です!
主節のannouncedが過去形なので、will → wouldに変化します。
問題2:She asked me _____ I had finished the report.
(A) that
(B) if
(C) what
(D) why
正解は(B)です!
Yes/Noで答える疑問文の間接話法では、ifまたはwhetherを使います。
実戦での時短テクニック
本番で効率よく解くためのコツをお伝えします。
テクニック1:主節の動詞をまず確認
said、told、askedなどが過去形かどうかを最初にチェックしましょう。
テクニック2:疑問詞の有無で判断
- 疑問詞あり → そのまま使用
- 疑問詞なし(Yes/No疑問文)→ if/whether
テクニック3:命令文は動詞の形で判断
- 肯定命令 → to + 動詞の原形
- 否定命令 → not to + 動詞の原形
まとめ
話法転換は、5つの変換規則を体系的に覚えることが成功の鍵です。
今回紹介したルールを習得すれば、
- 話法転換問題の正答率が90%以上になる
- 解答時間を20秒以内に短縮できる
- 複雑な文法問題への応用力がつく
という効果が期待できます。
まずは最重要の「時制の一致」から確実にマスターして、段階的に他のルールも身につけていきましょう!