Part5で動名詞の問題が出たとき、「どこで使うのか分からない」と困ったことはありませんか?
「動名詞が文のどの部分で使われているか判断できない」「不定詞との使い分けに迷ってしまう」という声をよく聞きます。
実は、動名詞には3つの明確な用法があり、それぞれの特徴を理解すれば迷うことはありません。
今回は、TOEICで年間約3-4問出題される動名詞の用法を、実践的な判別テクニックとともに完全解説します。
動名詞の3つの用法とは?
動名詞は文中で名詞の役割を果たし、主に以下の3つの位置で使われます。
用法1:主語として(文の始まりで動作を表す) 用法2:目的語として(動詞の後で動作を受ける) 用法3:前置詞の後で(前置詞の目的語として)
レストランでの注文に例えると:
- 主語:「注文すること」が大切だ → Ordering is important.
- 目的語:私は「注文すること」を楽しむ → I enjoy ordering.
- 前置詞の後:「注文する前に」メニューを見る → Before ordering, check the menu.
用法1:主語としての動名詞
文の主語として使われる動名詞の特徴と見分け方を解説します。
基本パターン
**動名詞 + 動詞 + 〜**の形で、文の主語になります。
Reading books is my hobby.
(本を読むことは私の趣味です)
TOEICでの出題例
例題:
_____ regular exercise improves both physical and mental health.
(A) Take
(B) Taking
(C) Taken
(D) To take
正解は(B)です。 文の主語として動名詞Takingが適切です。
判別のコツ
- 文の最初に来る
- 後に動詞(is, are, was, were等)が続く
- 「〜することは」と訳せる
用法2:目的語としての動名詞
動詞の目的語として使われる動名詞について解説します。
基本パターン
主語 + 動詞 + 動名詞の形で、動詞の目的語になります。
I enjoy reading books.
(私は本を読むことを楽しんでいます)
動名詞を目的語にとる主な動詞
TOEICでよく出る動詞をまとめました。
頻出動詞:
- enjoy(楽しむ)
- finish(終える)
- avoid(避ける)
- consider(考慮する)
- suggest(提案する)
- recommend(推奨する)
- practice(練習する)
- quit(やめる)
TOEICでの出題例
例題:
The manager suggested _____ the meeting to next week.
(A) postpone
(B) postponing
(C) to postpone
(D) postponed
正解は(B)です。 suggestの後は動名詞postponingが適切です。
判別のコツ
- 特定の動詞の後に来る
- 「〜することを」と訳せる
- 動名詞専用動詞を覚えておく
用法3:前置詞の後での動名詞
前置詞の目的語として使われる動名詞について解説します。
基本パターン
前置詞 + 動名詞の形で、前置詞の目的語になります。
I'm interested in reading books.
(私は本を読むことに興味があります)
よく使われる前置詞
TOEICで頻出の前置詞をまとめました。
場所・方向:
- in(〜の中で)
- on(〜の上で)
- at(〜で)
- for(〜のために)
時間:
- before(〜する前に)
- after(〜した後で)
- during(〜している間)
- while(〜している間)
その他:
- without(〜しないで)
- by(〜することによって)
- instead of(〜の代わりに)
TOEICでの出題例
例題:
You can improve your English _____ practicing every day.
(A) by
(B) for
(C) to
(D) at
正解は(A)です。 「〜することによって」という意味でby + 動名詞が適切です。
判別のコツ
- 前置詞の直後に来る
- 「〜すること」と訳せる
- 前置詞の後には必ず名詞形(動名詞)
3つの用法の見分け方
実際の問題で迷わないための判別テクニックをお教えします。
ステップ1:位置を確認
文頭 → 主語の可能性 動詞の後 → 目的語の可能性 前置詞の後 → 前置詞の目的語
ステップ2:前後の語をチェック
前に動詞 → 目的語 前に前置詞 → 前置詞の目的語 後に動詞 → 主語
ステップ3:意味で確認
文全体の意味を考えて、最も自然な解釈を選びます。
不定詞との使い分け
動名詞と不定詞の使い分けも重要なポイントです。
動名詞専用の動詞
以下の動詞は動名詞のみを目的語にとります。
- enjoy, finish, avoid, consider
- suggest, recommend, practice, quit
- mind, miss, postpone, delay
不定詞専用の動詞
以下の動詞は不定詞のみを目的語にとります。
- want, decide, hope, plan
- agree, refuse, promise, expect
- need, seem, appear, manage
両方可能な動詞
以下の動詞は両方可能ですが、意味が変わることがあります。
- remember:remember doing(したことを覚えている)/ remember to do(することを覚えている)
- stop:stop doing(することをやめる)/ stop to do(するために立ち止まる)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
1. 前置詞の後で不定詞を使う
❌ 間違い:
I'm interested in to read books.
⭕ 正解:
I'm interested in reading books.
2. 動名詞専用動詞の後で不定詞を使う
❌ 間違い:
I enjoy to read books.
⭕ 正解:
I enjoy reading books.
3. 主語としての動名詞を見落とす
❌ 間違い:
Read books is my hobby.
⭕ 正解:
Reading books is my hobby.
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ new employees requires patience and dedication.
(A) Train
(B) Training
(C) Trained
(D) To train
3つの用法を思い出してみてくださいね。
正解は(B)です!
文の主語として動名詞Trainingが適切です。 「新入社員を訓練することには忍耐と献身が必要だ」という意味になります。
問題2:The team finished _____ the project ahead of schedule.
(A) complete
(B) completing
(C) to complete
(D) completed
正解は(B)です!
finishは動名詞専用動詞なので、completingが正解です。 「チームは予定より早くプロジェクトを完了した」という意味になります。
まとめ
動名詞の3つの用法のポイントは、文中での位置と役割を理解することです。
この記事で紹介した判別テクニックを使えば、Part5での正答率が確実に上がります。
- 主語:文頭で「〜することは」
- 目的語:特定動詞の後で「〜することを」
- 前置詞の後:前置詞 + 動名詞
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!