動名詞の前に「誰の」を表す語が来たとき、所有格にすべきか目的格にすべきか迷ったことはありませんか?
「his arriving」と「him arriving」、どちらが正しいのか瞬時に判断できない。 そんな悩みを持つ学習者は多いです。
実は、動名詞の意味上の主語には明確なルールがあり、そのルールさえ覚えれば15秒以内で確実に正解できるようになります。
今回は、TOEICで年間約3-4問出題されるこの重要項目を、実践的な判断基準とともに解説します。
動名詞の意味上の主語とは?
動名詞の意味上の主語を簡単に説明すると、「その動作を誰がするのか」を示す語のことです。
例えば、レストランで注文する場面を想像してみてください。 「彼が注文することに反対だ」と言うとき、「注文する」のは「彼」ですよね。 これと同じように、英語でも動名詞の動作主を明示する必要があるんです。
基本的な形は以下の2パターンです。
- 所有格 + 動名詞: His arriving late surprised everyone.
- 目的格 + 動名詞: I saw him arriving late.
TOEICでの出題パターン
動名詞の意味上の主語は、Part5で年間約3-4問出題されます。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:文の主語・目的語・補語になる場合
文の主要な要素として動名詞が使われる場合は、所有格を使います。
例題:
_____ being late for the meeting caused some confusion.
(A) He
(B) His
(C) Him
(D) Himself
正解は(B)です。 動名詞句全体が文の主語になっているため、所有格を使います。
パターン2:前置詞の後に来る場合
前置詞の直後に動名詞が来る場合も、所有格が基本です。
例題:
The manager insisted on _____ attending the conference.
(A) we
(B) our
(C) us
(D) ourselves
正解は(B)です。 前置詞onの後なので、所有格ourを使います。
パターン3:知覚動詞・使役動詞の後の場合
see, hear, feelなどの知覚動詞の後では、目的格を使います。
例題:
I noticed _____ checking the inventory twice.
(A) she
(B) her
(C) hers
(D) herself
正解は(B)です。 知覚動詞noticeの後なので、目的格herを使います。
フォーマル vs カジュアルの使い分け
実は、現代英語では目的格の使用が増えています。
フォーマルな文脈(TOEICで重要)
- ビジネスレター:所有格を使う
- 公式文書:所有格を使う
- プレゼンテーション:所有格を使う
カジュアルな文脈
- 日常会話:目的格でもOK
- メール:目的格でもOK
- SNS:目的格が一般的
TOEICはビジネス英語のテストなので、フォーマルな文脈を想定して所有格を選ぶのが基本です。
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 代名詞の形を間違える:himとhisの区別がつかない
- 知覚動詞を見落とす:seeやhearの後でも所有格を使ってしまう
- カジュアルな感覚で判断:日常会話の感覚で目的格を選んでしまう
特に代名詞の所有格(my, your, his, her, its, our, their)は、確実に覚えておきましょう。
確実に正解するための3ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:動名詞の位置を確認
まず、動名詞が文のどこにあるかをチェックします。
主語・目的語・補語の位置なら所有格、知覚動詞の後なら目的格と判断できます。
ステップ2:前後の語を確認
次に、動名詞の前に何があるかを見ます。
前置詞があれば所有格、知覚動詞があれば目的格です。
ステップ3:フォーマル度を判断
最後に、文脈のフォーマル度を確認します。
TOEICではビジネス文脈が多いので、迷ったら所有格を選びましょう。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:We appreciate _____ taking the time to visit our facility.
(A) you
(B) your
(C) yours
(D) yourself
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
appreciateの目的語として動名詞句が来ているので、所有格yourを使います。 これはTOEICで頻出のパターンなので、確実に覚えておきましょう。
問題2:The supervisor observed _____ operating the new equipment.
(A) they
(B) their
(C) them
(D) themselves
正解は(C)です!
observeは知覚動詞なので、目的格themを使います。 知覚動詞のリスト(see, hear, feel, notice, observe, watch)は必ず覚えておいてください。
まとめ
動名詞の意味上の主語のポイントは、「位置」と「前後の語」で判断することです。
この記事で紹介した3つのステップを意識すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
- 文の主要素なら所有格
- 前置詞の後なら所有格
- 知覚動詞の後なら目的格
ぜひ今日から実践して、スコアアップを目指してくださいね!


