Part6で仮定法過去の選択問題に出会って困ったことはありませんか?
「if文なのに過去形を使うのはなぜ?」と疑問に思う学習者の方は非常に多いです。
実は、仮定法過去には明確な使用ルールがあり、「現在の事実に反する仮定」という概念を理解すれば12秒以内に確実に正解できるようになります。
今回は、Part6で頻出する仮定法過去の使い方を、実践的な例文とともにマスターしていきましょう。
仮定法過去の基本概念
まず、仮定法過去の基本的な概念を理解しましょう。
これは現実と想像の違いを考えてみてください。 現実:「私は忙しいので、会議に参加できません」 仮定:「もし時間があれば、会議に参加するのですが」
つまり、現在の事実とは反対の状況を仮定して話すのが仮定法過去です。
仮定法過去の構造
基本構造
If + 主語 + 過去形, 主語 + would/could/might + 動詞原形
例:
- If I had time, I would attend the meeting. (時間があれば、会議に参加するのですが)
- If she were here, she could help us. (彼女がここにいれば、私たちを手伝ってくれるでしょう)
be動詞の特別な形
仮定法過去では、be動詞はすべての人称でwereを使います。
例:
- If I were you, I would accept the offer. (もし私があなたなら、その申し出を受け入れます)
- If he were available, we could start immediately. (彼が空いていれば、すぐに始められるのに)
現在の事実に反する仮定
概念の理解
現在の事実:
- 私は忙しい → だから参加できない
- 彼は不在である → だから始められない
- 予算が足りない → だから購入できない
仮定法での表現:
- もし忙しくなければ → 参加するのに
- もし彼がいれば → 始められるのに
- もし予算があれば → 購入するのに
ビジネス場面での応用
典型的な使用場面:
- 丁寧な提案や依頼
- 不可能な状況の説明
- 仮想的なシナリオの検討
Part6での仮定法過去出題パターン
仮定法過去問題は、Part6で年間約2-3問出題される上級レベルの問題タイプです。
パターン1:if節での動詞選択
60%の確率で出題される最頻出パターンです。
例題:
If the budget _____ larger, we could implement the new system.
(A) is
(B) was
(C) were
(D) will be
正解は(C)です。 現在の事実(予算が不足)に反する仮定なので、仮定法過去「were」が正解です。
パターン2:主節での助動詞選択
30%の確率で出題されるパターンです。
例題:
If we had more staff, we _____ complete the project faster.
(A) will
(B) would
(C) can
(D) are
正解は(B)です。 仮定法過去の主節では「would」を使います。
パターン3:丁寧な表現での仮定法
10%の確率で出題される応用パターンです。
丁寧な依頼や提案で仮定法が使われる場合です。
仮定法過去の判断基準
では、実際の判断方法を見ていきましょう。
基準1:現実との関係を確認
現在の事実を確認:
- 実際には起こっていない
- 不可能または困難な状況
- 願望や希望を表す
仮定の内容:
- 「もし〜だったら」
- 「〜であればよいのに」
- 「〜だったらどうだろう」
基準2:if節の構造をチェック
if + 過去形の形:
- If I had... (もし私が持っていたら)
- If she were... (もし彼女が〜だったら)
- If we could... (もし私たちができたら)
基準3:主節の助動詞
would/could/might + 動詞原形:
- would + 動詞原形(〜するでしょう)
- could + 動詞原形(〜できるでしょう)
- might + 動詞原形(〜かもしれません)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
間違いポイント1:時制の混同 現在の話なのに過去形を使うことを理解していない。
間違いポイント2:be動詞の形 「was」ではなく「were」を使うことを知らない。
間違いポイント3:主節の助動詞 「will」ではなく「would」を使うことを理解していない。
実践練習問題
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:
If our company _____ more resources, we could expand into new markets.
(A) has
(B) had
(C) have
(D) will have
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
現在の事実は「資源が不足している」で、それに反する仮定「もし資源があれば」を表すので、 仮定法過去の「had」が正解です。
問題2:
If I _____ you, I would accept the promotion offer.
(A) am
(B) was
(C) were
(D) will be
正解は(C)です!
「If I were you」は仮定法過去の典型的な表現で、 be動詞はすべての人称で「were」を使います。
ビジネス場面での仮定法過去
Part6でよく出題されるビジネス場面での仮定法過去をまとめました。
丁寧な提案・依頼
典型的な表現:
- I would appreciate if you could... (〜していただければ幸いです)
- It would be helpful if we could... (〜できれば助かるのですが)
- I would suggest that we... (〜することを提案いたします)
仮想的なシナリオ
典型的な表現:
- If we had more budget, we could... (もっと予算があれば〜できるのに)
- If the deadline were extended, we would... (締切が延長されれば〜するでしょう)
- If more staff were available, we could... (もっとスタッフがいれば〜できるのに)
不可能な状況の説明
典型的な表現:
- If the situation were different, we would... (状況が違えば〜するでしょう)
- If we had known earlier, we could have... (もっと早く知っていれば〜できたでしょう)
頻出表現パターン
Part6で特に頻出する仮定法過去の表現をまとめました。
if節でよく使われる動詞
had(持っていたら):
- If we had more time... (もっと時間があれば)
- If they had experience... (経験があれば)
were(〜だったら):
- If I were you... (もし私があなたなら)
- If it were possible... (もし可能だったら)
could(できたら):
- If we could start earlier... (もっと早く始められたら)
- If you could help us... (手伝っていただけたら)
主節でよく使われる表現
would + 動詞:
- we would implement... (実施するでしょう)
- I would recommend... (推奨するでしょう)
- they would agree... (同意するでしょう)
could + 動詞:
- we could achieve... (達成できるでしょう)
- you could improve... (改善できるでしょう)
- it could be... (〜かもしれません)
効率的な判断手順
Part6で仮定法過去問題に出会ったら、以下の手順で解きましょう。
ステップ1:if文かどうか確認(3秒)
「if」があるかどうかを瞬時にチェックします。
ステップ2:現実との関係を判断(4秒)
現在の事実に反する仮定かどうかを確認します。
ステップ3:時制を選択(5秒)
if節は過去形、主節はwould/could/might + 動詞原形を選びます。
この手順で、12秒以内に正解を選択できます。
類似表現との区別
仮定法過去と混同しやすい表現を整理しました。
単純な過去形 vs 仮定法過去
単純な過去形:
- 実際に起こった過去の出来事
- If he came yesterday...(実際に来た)
仮定法過去:
- 現在の事実に反する仮定
- If he came now...(実際には来ていない)
仮定法過去完了との区別
仮定法過去:
- 現在の事実に反する仮定
- If I had time now... (今時間があれば)
仮定法過去完了:
- 過去の事実に反する仮定
- If I had had time then... (その時時間があれば)
応用テクニック
さらに高得点を目指すための応用テクニックもご紹介します。
テクニック1:wish文での仮定法
- I wish I had more time. (もっと時間があればよいのに)
- I wish she were here. (彼女がここにいればよいのに)
テクニック2:as if/as though文
- He talks as if he were the boss. (まるでボスであるかのように話す)
- She acts as though she knew everything. (まるで何でも知っているかのように振る舞う)
テクニック3:丁寧表現での活用
- I would like to... (〜したいのですが)
- Could you...? (〜していただけますか?)
- Would you mind if...? (〜していただけませんか?)
まとめ
Part6の仮定法過去問題は、「現在の事実に反する仮定」という概念を理解することが最重要です。
判断基準を覚えて問題を解けば、
- 解答時間が12秒以内になる
- 正答率が85%以上になる
- ビジネス英語での丁寧表現も身につく
という効果が期待できます。
今回紹介した3つのステップを使って、確実に得点を重ねていきましょう!
次の模試では、まずif文かどうかを確認することから始めてみてくださいね。