Part6で「文章を読むのに時間がかかりすぎる」「どこを重点的に読めばいいか分からない」と悩んでいませんか?
実は、Part6ではスキミングとスキャニングという2つの読み方を使い分けることで、効率的に問題を解けるようになります。
多くの学習者が全文を丁寧に読もうとしますが、これでは時間が足りません。 問題タイプに応じて読み方を変えることが、高得点への近道なんです。
今回は、Part6で時間短縮と正答率向上を両立するための読解戦略をお伝えします。
スキミングとスキャニングの基本理解
まず、スキミングとスキャニングの違いを明確にしましょう。
スキミング(Skimming)とは
目的:文章の全体的な内容を素早く把握する 読み方:要点だけを拾い読みする 速度:通常の3-4倍の速度 取得情報:主題、全体の流れ、結論
これは新聞を読む時のように、見出しと最初の段落だけ読んで記事の概要を掴むような読み方です。
スキャニング(Scanning)とは
目的:特定の情報を素早く見つける 読み方:キーワードを探しながら視線を動かす 速度:通常の5-6倍の速度 取得情報:数字、固有名詞、特定の語句
これは電話帳で特定の名前を探すように、目的の情報だけを見つける読み方です。
Part6での活用場面
スキミングが効果的:
- 文章全体の流れを把握したい時
- 文挿入問題を解く時
- 接続詞問題で前後の関係を確認する時
スキャニングが効果的:
- 文法問題で特定の語句を探す時
- 語彙問題で空欄周辺の情報を確認する時
- 時間や数字などの具体的な情報を探す時
問題タイプ別読み方戦略
Part6の各問題タイプに最適な読み方を詳しく解説します。
文法問題(品詞・動詞の形)
推奨読み方:スキャニング 理由:空欄周辺の文法的な手がかりを見つければ解ける
具体的な手順:
- 選択肢を確認して問題タイプを判断
- 空欄の前後1-2語をスキャン
- 文法的な手がかり(冠詞、動詞、名詞など)を特定
- 適切な品詞・形を選択
例:
The new _____ will be announced next week.
(A) policy
(B) policys
(C) policies
(D) policy's
この場合、「The new」と「will be announced」をスキャンするだけで、単数名詞が必要だと分かります。
語彙問題
推奨読み方:スキミング + 部分的スキャニング 理由:文脈理解が必要だが、全文を読む必要はない
具体的な手順:
- 空欄を含む段落をスキミング
- 空欄周辺の文をスキャニング
- 文脈から適切な語彙を推測
- 選択肢から最適な語を選択
例:
Our company has been facing financial difficulties. However, the new CEO's strategies have helped _____ the situation.
(A) worsen
(B) improve
(C) ignore
(D) maintain
段落をスキミングして「困難→しかし→CEO の戦略」という流れを把握すれば、「改善」を表す語が必要だと分かります。
接続詞問題
推奨読み方:スキミング(前後の文を重点的に) 理由:文と文の論理的関係を理解する必要がある
具体的な手順:
- 空欄の前の文をスキミング
- 空欄の後の文をスキミング
- 2つの文の関係性を判断(順接・逆接・追加など)
- 適切な接続詞を選択
例:
The project was completed ahead of schedule. _____, it was also under budget.
(A) However
(B) Furthermore
(C) Nevertheless
(D) Meanwhile
前の文(良い結果)と後の文(さらに良い結果)をスキミングして、追加の関係だと判断できます。
文挿入問題
推奨読み方:スキミング(文章全体) 理由:文章全体の流れと論理構造を理解する必要がある
具体的な手順:
- 文章全体をスキミングして主題を把握
- 各段落の要点をスキミング
- 選択肢の文をスキミング
- 最も論理的に適切な位置を判断
効率的な読み方のコツ
スキミングとスキャニングを効果的に行うためのコツをご紹介します。
スキミングのコツ
視線の動かし方:
- 各行の最初と最後に注目
- キーワードだけを拾う
- 文章の構造語(however, therefore など)に注目
重点的に読む部分:
- 各段落の最初の文
- 接続詞の後の内容
- 結論を示す表現の後
スキップしても良い部分:
- 具体的な例の詳細
- 繰り返しの説明
- 補足的な情報
スキャニングのコツ
視線の動かし方:
- Z字型に素早く移動
- キーワードを探すイメージで
- 文法的な手がかりに集中
探すべき要素:
- 品詞問題:冠詞、前置詞、動詞
- 語彙問題:形容詞、副詞、感情を表す語
- 数字・固有名詞:時間、場所、人名
効率化のテクニック:
- 周辺視野を活用
- 意味のかたまりで認識
- 不要な部分は完全に無視
実践的な時間配分
スキミングとスキャニングを活用した時間配分をご紹介します。
1文章あたりの理想的な時間配分
合計時間:2分30秒
内訳:
- 問題タイプの確認:15秒
- 読み方の決定:5秒
- 実際の読解と解答:1分50秒
- 見直し:20秒
問題タイプ別の時間配分
文法問題:
- スキャニング:10秒
- 解答:10秒
語彙問題:
- スキミング:20秒
- 部分スキャニング:10秒
- 解答:10秒
接続詞問題:
- スキミング:25秒
- 解答:15秒
文挿入問題:
- 全体スキミング:40秒
- 解答:20秒
レベル別読み方戦略
目標スコア別の読み方戦略をご紹介します。
600点レベル
重点戦略:正確性重視
- スキミングは段落単位で行う
- スキャニングは丁寧に実施
- 時間より正答率を優先
練習方法:
- ゆっくりとしたスキミング練習
- キーワード発見の練習
- 基本的な文章構造の理解
730点レベル
重点戦略:効率性の向上
- スキミングの速度アップ
- スキャニングの精度向上
- 時間配分の最適化
練習方法:
- 制限時間内での読解練習
- 問題タイプ別の読み方マスター
- 複雑な文章での練習
860点以上レベル
重点戦略:完璧な使い分け
- 瞬時の読み方判断
- 高速かつ正確な読解
- 安定した高得点の維持
練習方法:
- 実戦レベルの高速読解
- 細かい読み分けの練習
- 様々なタイプの文章での練習
読み方選択の判断基準
問題を見た瞬間に適切な読み方を選択するための基準をまとめました。
即座にスキャニングを選ぶべき場合
選択肢の特徴:
- 品詞が違う(名詞、動詞、形容詞、副詞)
- 動詞の形が違う(現在形、過去形、完了形など)
- 前置詞の選択肢
文章の特徴:
- 空欄が文中にある
- 具体的な数字や固有名詞が多い
- ビジネス文書や技術文書
即座にスキミングを選ぶべき場合
選択肢の特徴:
- 接続詞・副詞の選択肢
- 完全な文の選択肢(文挿入問題)
- 意味の異なる語彙の選択肢
文章の特徴:
- 空欄が文頭にある
- 段落の境界にある
- 論説文や意見文
よくある読み方の間違いと対策
効率的な読み方を妨げる間違いパターンをまとめました。
間違い1:全文を同じペースで読む
問題:すべての部分を丁寧に読んでしまう
対策:問題タイプに応じて読み方を変える
間違い2:読み方の切り替えができない
問題:一度始めた読み方を最後まで続けてしまう
対策:問題ごとに読み方をリセットする
間違い3:スキミング・スキャニングが浅すぎる
問題:速さを重視して必要な情報を見落とす
対策:練習で適切な深さを身につける
練習方法と上達のコツ
読み方のスキルを向上させるための具体的な練習方法をご紹介します。
日常練習メニュー
基礎練習(毎日10分):
- 新聞記事でスキミング練習
- 辞書でスキャニング練習
- 問題タイプ判断の練習
応用練習(毎日15分):
- Part6問題での実践
- 時間計測での練習
- 読み方切り替えの練習
段階的上達法
第1段階:読み方の基本をマスター
- スキミングとスキャニングの違いを理解
- 各手法の基本的な使い方を習得
第2段階:問題タイプ別の使い分けを習得
- 文法問題でのスキャニング
- 語彙問題でのスキミング+スキャニング
- 接続詞・文挿入問題でのスキミング
第3段階:瞬時の判断と高速実行
- 3秒以内の読み方判断
- 制限時間内での完璧な実行
- 安定した高得点の維持
まとめ
Part6でのスキミングとスキャニングの使い分け戦略をまとめます。
重要なポイント:
-
読み方の特徴を理解する
- スキミング:全体把握のための拾い読み
- スキャニング:特定情報を探す読み方
-
問題タイプで使い分ける
- 文法問題:スキャニング
- 語彙問題:スキミング+スキャニング
- 接続詞・文挿入問題:スキミング
-
効率的な時間配分を実践する
- 1文章2分30秒以内
- 問題タイプ別の時間管理
-
レベルに応じた戦略を選択する
- 600点:正確性重視
- 730点:効率性向上
- 860点以上:完璧な使い分け
-
継続的な練習で上達する
- 毎日25分の練習
- 段階的なスキルアップ
適切な読み方の使い分けをマスターすれば、Part6での時間短縮と正答率向上を同時に実現できます。
毎日練習を続けて、効率的な読解スキルを身につけましょう!