Part5で全文を読んでいませんか?
「時間がかかりすぎて、Part7まで時間が足りない」という悩みを抱えている方は多いです。
実は、Part5の問題の約80%は、空欄の前後3-4語だけを見れば正解できるんです。 全文を読む必要はありません。
今回は、空欄の前後だけで確実に正解を導く「前後読み取り法」をマスターしていきましょう。 この方法を使えば、1問20秒以内で解答できるようになります。
なぜ空欄の前後だけで解けるのか
Part5が空欄の前後だけで解ける理由を理解しましょう。
理由1:文法的な制約があるから
英語には厳格な文法ルールがあります。
例えば:
- 冠詞の後には必ず名詞
- 動詞の前には通常副詞
- 前置詞の後には名詞
これらのルールにより、空欄に入る品詞が決まります。
理由2:出題パターンが限られているから
Part5では、同じような文構造が繰り返し出題されます。
よく出るパターン:
- 「主語 + 動詞 + 目的語」の基本構造
- 「be動詞 + 過去分詞」の受動態
- 「前置詞 + 名詞」の組み合わせ
パターンを覚えれば、瞬時に判断できます。
理由3:問題作成者の意図が明確だから
Part5は文法・語彙力をテストする問題です。
文脈理解ではなく、局所的な文法知識が問われます。 そのため、空欄周辺の情報だけで十分なのです。
空欄前後読み取り法の基本ステップ
具体的な手順を3ステップで説明します。
ステップ1:空欄の前2語・後2語を確認
まず空欄の直前2語と直後2語だけを見ます。
全文は見ません。選択肢も見ません。 空欄周辺の4語だけに集中してください。
例:
The new employee _____ the training program successfully.
注目するのは:
- 前2語:「new employee」
- 後2語:「the training」
ステップ2:必要な品詞を判断
空欄に入るべき品詞を決定します。
基本的なパターンを覚えておきましょう:
- 「名詞 + ___ + 名詞」→ 動詞
- 「動詞 + ___ + 形容詞」→ 副詞
- 「冠詞 + ___ + 名詞」→ 形容詞
- 「前置詞 + ___ + 名詞」→ 形容詞
先ほどの例では: 「employee(名詞)+ ___ + the training(名詞)」 → 動詞が必要
ステップ3:選択肢から該当する品詞を選ぶ
必要な品詞に合致する選択肢を選びます。
例の選択肢:
(A) completion (名詞)
(B) completed (動詞・過去形)
(C) completing (動詞・現在分詞)
(D) complete (動詞・原形)
動詞が必要なので、(B)、(C)、(D)が候補です。
「employee completed the training」が最も自然なので、(B)が正解です。
品詞別の判断ポイント
品詞ごとの判断ポイントを整理しました。
名詞が必要な場合
前後のヒント:
- 冠詞(a, an, the)の後
- 前置詞(in, on, at, of など)の後
- 形容詞の後
例:
The _____ of the project was delayed.
→ 冠詞「the」の後なので名詞
動詞が必要な場合
前後のヒント:
- 主語の後
- 助動詞(will, can, must など)の後
- 副詞の後
例:
The manager _____ the report yesterday.
→ 主語「manager」の後なので動詞
形容詞が必要な場合
前後のヒント:
- 名詞の前
- be動詞の後
- 「very」「quite」などの副詞の後
例:
It was a _____ decision.
→ 冠詞「a」と名詞「decision」の間なので形容詞
副詞が必要な場合
前後のヒント:
- 動詞の前
- 形容詞の前
- 文末
例:
She worked _____ on the project.
→ 動詞「worked」の後なので副詞
実際の問題で練習してみよう
練習問題を使って前後読み取り法を実践してみましょう。
練習問題1
Due to the severe weather conditions, the flight was _____ delayed.
(A) significant
(B) significantly
(C) significance
(D) signify
解答手順:
- 前後確認:「was」と「delayed」
- 品詞判断:「was + 副詞 + 動詞」のパターン
- 選択肢:(B) significantly(副詞)が正解
練習問題2
The company's _____ has improved dramatically this year.
(A) perform
(B) performance
(C) performer
(D) performing
解答手順:
- 前後確認:「company's」と「has improved」
- 品詞判断:所有格の後は名詞
- 選択肢:(B) performance(名詞)が正解
練習問題3
All employees must _____ the new safety regulations.
(A) compliance
(B) compliant
(C) comply
(D) complying
解答手順:
- 前後確認:「must」と「the new」
- 品詞判断:助動詞の後は動詞原形
- 選択肢:(C) comply(動詞原形)が正解
前後読み取り法が使えない場合の対処法
約20%の問題では、前後だけでは判断できません。
対処法1:範囲を少し広げる
空欄の前後2語で分からない場合は、前後4語まで範囲を広げます。
The meeting, _____ was scheduled for 3 PM, has been postponed.
この場合、「meeting」と「was scheduled」まで見れば、関係代名詞「which」が必要だと分かります。
対処法2:文全体の意味を考える
文法的に複数の選択肢が可能な場合は、文全体の意味を考慮します。
The project was completed _____ the deadline.
(A) before
(B) after
(C) during
(D) within
この場合は文脈を考えて判断する必要があります。
対処法3:頻出パターンを活用
文法知識だけでは判断できない場合、TOEICでよく出るパターンを思い出します。
「完了 + 締切」の組み合わせなら「before」や「ahead of」が頻出です。
時間短縮のための実践テクニック
前後読み取り法をより効率的に使うテクニックです。
テクニック1:選択肢を先に見る
問題文を読む前に、選択肢をチェックします。
品詞問題の場合:
同じ語根の異なる品詞 → 品詞問題
例:success / successful / successfully
語彙問題の場合:
全く異なる単語 → 語彙問題
例:although / despite / however
テクニック2:キーワードをマーク
空欄の前後で重要な語にマークをつけます。
重要なキーワード:
- 冠詞(a, an, the)
- 前置詞(in, on, at など)
- 助動詞(will, can, must など)
- 接続詞(and, but, or など)
テクニック3:音読確認を活用
選択肢を入れて音読し、違和感がないかチェックします。
正解なら自然に読めます。 間違いなら、どこか不自然に感じるはずです。
この確認作業は3-5秒で完了します。
よくある間違いと対策
前後読み取り法でよくある間違いを知っておきましょう。
間違い1:範囲を広げすぎる
空欄の前後だけで十分なのに、文全体を読んでしまう間違いです。
対策:
- 最初は前後2語だけ見る
- 分からない場合のみ範囲を広げる
- 全文読みは最後の手段
間違い2:品詞の判断が曖昧
英語の品詞について理解が不十分な場合です。
対策:
- 基本的な品詞の語尾を覚える
- -ly(副詞)、-tion(名詞)、-ful(形容詞)など
- 品詞の働きを理解する
間違い3:パターンを覚えていない
よく出る文構造を覚えていないための間違いです。
対策:
- 頻出パターンを暗記する
- 毎日5問ずつ練習する
- 間違いのパターンを分析する
まとめ
Part5の前後読み取り法は以下の3ステップです:
- 空欄の前2語・後2語を確認
- 必要な品詞を判断
- 選択肢から該当する品詞を選ぶ
この方法を使えば:
- 解答時間が半分以下になる
- 正答率が向上する
- Part7に十分な時間を確保できる
全文を読む必要はありません。 空欄の前後だけに集中することで、効率的に正解を導けます。
まずは毎日10問ずつ、この方法で練習してみてください。 1週間続ければ、確実に解答スピードが向上します!