仮定法の問題で「時制がごちゃごちゃになって混乱する」と感じたことはありませんか?
「仮定法過去と仮定法過去完了の違いが分からない」「ifがない仮定法の見分け方が分からない」と悩んでいませんか?
実は、仮定法は3つのパターンさえ理解すれば、どんな問題でも20秒以内で正解できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で頻出する仮定法の全パターンを、10分で完全攻略する方法をお伝えします。
仮定法が難しく感じる理由
多くの学習者が仮定法でつまずく理由は、時制の対応関係を複雑に考えすぎているからです。
日常会話では仮定法をほとんど使わないため、「現実ではない話」という感覚が掴みにくいのも原因の一つです。
しかし、仮定法は実は非常にシンプルなルールで成り立っています。
仮定法の本質
仮定法とは、「現実とは違う状況を想像して話す」ための文法です。
日常生活で例えると、「もし宝くじが当たったら、世界旅行をするのに」と想像で話すのと同じです。
この「現実ではない」感覚を時制で表現するのが仮定法なんです。
仮定法の3大パターン
TOEIC Part5で出題される仮定法は、以下の3パターンに集約されます。
パターン1:仮定法現在(提案・要求・命令)
基本形:
主語 + suggest/demand/require + that + 主語 + 動詞の原形
特徴:
- should + 動詞の原形 または 動詞の原形のみ
- 提案、要求、命令を表す動詞の後に使用
典型的な問題例:
The manager suggested that all employees _____ the new safety procedures.
(A) follows
(B) follow
(C) followed
(D) following
正解は(B) followです。 suggestの後なので、仮定法現在(動詞の原形)を使います。
パターン2:仮定法過去(現在の非現実)
基本形:
If + 主語 + 過去形, 主語 + would/could/might + 動詞の原形
特徴:
- 現在の事実とは反対の仮定
- if節は過去形、主節はwould + 動詞の原形
典型的な問題例:
If I _____ more time, I would attend the conference.
(A) have
(B) had
(C) will have
(D) would have
正解は(B) hadです。 現在時間がないという現実とは反対の仮定なので、仮定法過去を使います。
パターン3:仮定法過去完了(過去の非現実)
基本形:
If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + would have + 過去分詞
特徴:
- 過去の事実とは反対の仮定
- if節は過去完了形、主節はwould have + 過去分詞
典型的な問題例:
If she _____ earlier, she would have caught the train.
(A) left
(B) leaves
(C) had left
(D) would leave
正解は(C) had leftです。 過去に早く出発しなかったという事実とは反対の仮定なので、仮定法過去完了を使います。
瞬時に判断する3ステップ法
仮定法問題を20秒以内で解くための手順です。
ステップ1:キーワードを探す(5秒)
以下のキーワードがあるかチェックします。
仮定法現在のキーワード:
- suggest, recommend, propose
- demand, require, request
- insist, urge, ask
- it is important/necessary/essential that
仮定法過去・過去完了のキーワード:
- if(条件節)
- wish
- as if / as though
- would rather
ステップ2:時間軸を判断(10秒)
- 現在・未来の非現実 → 仮定法過去
- 過去の非現実 → 仮定法過去完了
- 提案・要求 → 仮定法現在
ステップ3:適切な形を選択(5秒)
判断した時間軸に応じて、正しい動詞形を選びます。
ifのない仮定法の見分け方
TOEIC Part5では、ifが明示されていない仮定法もよく出題されます。
wishを使った仮定法
現在への願望:
I wish I _____ more languages.
(A) speak
(B) spoke
(C) have spoken
(D) will speak
正解は(B) spoke。現在の能力とは反対の願望なので、仮定法過去を使います。
as if / as thoughを使った仮定法
典型的な問題例:
He talks as if he _____ everything about the project.
(A) knows
(B) knew
(C) has known
(D) will know
正解は(B) knew。実際は全て知らないという現実とは反対なので、仮定法過去を使います。
would ratherを使った仮定法
典型的な問題例:
I would rather you _____ here tomorrow.
(A) come
(B) came
(C) will come
(D) would come
正解は(B) came。would rather の後は仮定法過去を使います。
よくある間違いパターンと対策
日本人学習者が特に間違えやすいポイントを整理しました。
間違い1:時制の一致と混同
❌ 間違った思考: 「過去形だから、後も過去形」
✅ 正しい思考: 仮定法では、現実とは反対を表すために時制をずらします。
間違い2:仮定法現在でshouldを入れすぎる
❌ 間違った思考: 「仮定法だからshouldが必要」
✅ 正しい思考: アメリカ英語では、動詞の原形のみを使うことが多いです。
間違い3:仮定法の倒置を見落とす
例:
Had I known about the meeting, I would have attended.
= If I had known about the meeting, I would have attended.
Hadが文頭にくる倒置形も仮定法過去完了です。
実践問題で理解度をチェック
学んだパターンを使って、実際の問題を解いてみましょう。
練習問題1(制限時間:20秒)
The CEO recommended that the proposal _____ immediately.
(A) is reviewed
(B) be reviewed
(C) was reviewed
(D) reviews
パターン判断:
recommend → 仮定法現在
正解は(B) be reviewed。 recommendの後なので、仮定法現在(動詞の原形)を使います。
練習問題2(制限時間:20秒)
If the weather _____ better, we could have had the meeting outdoors.
(A) was
(B) were
(C) had been
(D) would be
パターン判断:
If + 過去の非現実 → 仮定法過去完了
正解は(C) had been。 過去の天気という事実とは反対の仮定なので、仮定法過去完了を使います。
練習問題3(制限時間:20秒)
She acts as though she _____ the owner of the company.
(A) is
(B) was
(C) were
(D) has been
パターン判断:
as though + 現在の非現実 → 仮定法過去
正解は(C) were。 実際は所有者ではないという現実とは反対なので、仮定法過去を使います。
仮定法問題の出題傾向
最新のTOEIC出題データに基づく分析です。
パターン別出題頻度
仮定法現在:年間約3問(50%)
2.
仮定法過去:年間約2問(33%)
3.
仮定法過去完了:年間約1問(17%)
よく出る動詞・表現
仮定法現在でよく出る動詞:
- suggest, recommend, propose(提案)
- require, demand, request(要求)
- insist, urge(主張)
仮定法過去・過去完了でよく出る表現:
- If I were you(もし私があなたなら)
- I wish I could(〜できればいいのに)
- as if / as though(まるで〜かのように)
スコア別学習戦略
730点目標の方
仮定法現在を完璧にマスターしましょう。 suggest、recommend、requireの後は動詞の原形という基本パターンだけで十分です。
860点目標の方
仮定法過去も加えて学習しましょう。 現在の事実とは反対の仮定で、if節は過去形、主節はwouldというパターンを理解してください。
900点以上目標の方
仮定法過去完了や倒置、wishなどの応用パターンまで完全にマスターする必要があります。
効率的な覚え方
日常生活での練習
-
提案する時
- 「〜することを提案します」→ I suggest that you (動詞の原形)
-
後悔する時
- 「もし〜していれば」→ If I had (過去分詞), I would have (過去分詞)
-
願望を表す時
- 「〜だったらいいのに」→ I wish I (過去形)
覚えるべき基本例文
1. I suggest that he be promoted. (仮定法現在)
2. If I were rich, I would travel around the world. (仮定法過去)
3. If I had studied harder, I would have passed the exam. (仮定法過去完了)
この3つの例文を暗記すれば、応用が利きます。
まとめ
TOEIC Part5の仮定法問題は、3つのパターンを理解すれば確実に攻略できます。
今回紹介した解法を使えば、
- 仮定法問題の正答率が95%以上になる
- 解答時間が20秒以内に短縮される
- 複雑に見える問題もパターン認識で瞬時に判断できる
という効果が期待できます。
特に上級者を目指すなら、仮定法の理解は必須です。 3つのパターンを使い分けて、確実に得点源にしていきましょう!
まずは基本の3例文を暗記するところから始めてみてくださいね。