Part5で「it」が出てくると、何を指しているのか分からなくなることはありませんか?
「itは何かを指すはずなのに、指すものが見つからない」という疑問を持つ学習者は本当に多いんです。
実は、代名詞「it」には4つの重要な用法があり、それを知れば確実に文の構造を理解できるようになります。
今回は、600点レベルで頻出するitの4用法を、実践的な見分け方と共にお伝えします。
代名詞itがPart5で重要な理由
まず、なぜ代名詞itの習得が重要なのかを確認しましょう。
代名詞itは、Part5全30問中、年間約4-5問出題される重要な文法項目です。
特に600点レベルでは、以下の特徴があります。
- 基本的な用法で対策しやすい
- 文の構造理解に直結する
- ビジネス文脈で頻繁に使用される
つまり、この記事をマスターすれば、確実に4-5点アップが期待できるんです。
代名詞itの基本概念
代名詞itについて、基本的な概念を確認しましょう。
itの2つの性質
1. 指示的用法:具体的な物を指す 2. 非指示的用法:何も指さない
多くの学習者が混乱するのは、この2つの性質があることです。
非指示的itの4用法
特に重要なのは、何も指さない「非指示的it」の4用法です。
- 天候のit
- 時間のit
- 距離のit
- 仮主語のit
用法1:天候のit
天候を表すitから詳しく見ていきましょう。
天候itの特徴
意味:天気・気象現象を表す 構造:It + be動詞 + 形容詞/名詞
このitは特定の何かを指すのではなく、「天気・気象」という概念を表します。
天候itの基本パターン
基本形:
It is sunny.(晴れです)
It is rainy.(雨です)
It is cloudy.(曇りです)
It is windy.(風が強いです)
進行形:
It is raining.(雨が降っています)
It is snowing.(雪が降っています)
ビジネス文脈での使用例
✅ It was extremely hot during the outdoor conference.
(屋外会議中は非常に暑かった)
✅ It has been raining all week, so the construction is delayed.
(一週間ずっと雨が降っているので、工事が遅れています)
用法2:時間のit
時間を表すitも重要な用法です。
時間itの特徴
意味:時刻・時間を表す 構造:It + be動詞 + 時間表現
このitは現在の時刻や特定の時間を表します。
時間itの基本パターン
時刻表現:
It is 3 o'clock.(3時です)
It is noon.(正午です)
It is midnight.(真夜中です)
時間の長さ:
It takes 30 minutes to get there.(そこまで30分かかります)
It took two hours to finish the project.(プロジェクトを終えるのに2時間かかった)
ビジネス文脈での使用例
✅ It is time to start the meeting.
(会議を始める時間です)
✅ It will take about a week to complete the analysis.
(分析を完了するのに約1週間かかるでしょう)
用法3:距離のit
距離を表すitも重要です。
距離itの特徴
意味:距離・空間を表す 構造:It + be動詞 + 距離表現
このitは2点間の距離や空間的な関係を表します。
距離itの基本パターン
距離表現:
It is 5 kilometers to the airport.(空港まで5キロメートルです)
It is a long way to the station.(駅まで遠いです)
場所との関係:
It is close to the city center.(市の中心部に近いです)
It is far from here.(ここから遠いです)
ビジネス文脈での使用例
✅ It is only a short walk from the hotel to our office.
(ホテルから私たちのオフィスまで歩いてすぐです)
✅ It is about 10 minutes by car to the conference venue.
(会議場まで車で約10分です)
用法4:仮主語のit
最も重要で複雑な用法が仮主語のitです。
仮主語itの特徴
意味:真の主語を後に置くための仮の主語 構造:It + be動詞 + 形容詞/名詞 + 真の主語
このitは文法的なバランスを取るために使われます。
仮主語itの基本パターン
It is + 形容詞 + to不定詞:
It is important to be punctual.
(時間を守ることは重要です)
= To be punctual is important.
It is + 形容詞 + that節:
It is clear that the project will be successful.
(そのプロジェクトが成功することは明らかです)
= That the project will be successful is clear.
It is + 名詞 + to不定詞:
It is our policy to respond within 24 hours.
(24時間以内に回答するのが私たちの方針です)
ビジネス文脈での使用例
✅ It is essential to complete the report by Friday.
(金曜日までにレポートを完成させることが不可欠です)
✅ It is likely that the merger will be announced next month.
(合併が来月発表される可能性が高いです)
Part5での頻出パターン4選
代名詞itは、Part5で主に以下の4つのパターンで出題されます。
パターン1:仮主語itの構文
最も頻出するのが、仮主語itの構文問題です。
例題:
_____ is important for employees to attend the training session.
(A) There
(B) It
(C) This
(D) That
正解は(B)です。 「for employees to attend...」が真の主語なので、仮主語「It」が必要です。
パターン2:時間itとtake動詞
時間の長さを表すit takes構文です。
例題:
_____ will take approximately two weeks to process your application.
(A) There
(B) It
(C) This
(D) We
正解は(B)です。 「It takes + 時間 + to不定詞」の構文なので、「It」が適切です。
パターン3:天候itの判断
天候表現でのit使用問題です。
例題:
_____ has been raining heavily since this morning.
(A) There
(B) It
(C) The weather
(D) Rain
正解は(B)です。 天候を表す場合は「It」を使います。
パターン4:形式的主語の選択
形式的な主語としてのit選択問題です。
例題:
_____ seems that the new policy will be implemented next quarter.
(A) There
(B) It
(C) This
(D) That
正解は(B)です。 「It seems that...」は「〜のようである」という意味の構文です。
itの用法判別テクニック
4つの用法を見分けるコツがあります。
判別ステップ1:文脈キーワードチェック
天候キーワード:
sunny, rainy, hot, cold, snowing
時間キーワード:
o'clock, takes, time, minutes, hours
距離キーワード:
kilometers, far, close, away
仮主語キーワード:
important, necessary, clear, that節, to不定詞
判別ステップ2:構文パターン確認
It is + 天候形容詞 → 天候it It is + 時刻 / It takes + 時間 → 時間it It is + 距離 → 距離it It is + 形容詞 + to不定詞/that節 → 仮主語it
判別ステップ3:意味での最終確認
itを他の語に置き換えられるかチェックします。
- 天候:「天気が」に置き換え可能
- 時間:「時刻が」「時間が」に置き換え可能
- 距離:「距離が」に置き換え可能
- 仮主語:置き換え不可(文法的な役割)
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 仮主語itの理解不足:真の主語との関係を把握していない
- 天候itとの混同:「The weather is sunny」と言ってしまう
- 時間itの構文理解不足:「It takes」構文を正しく使えない
特に仮主語itの概念は、多くの人が苦手とするポイントです。 真の主語が後ろにあることを意識しましょう。
確実に正解するための3ステップ
では、実際の解き方を見ていきましょう。
ステップ1:文脈の分析
まず、文全体の文脈を確認します。
- 天候・気象の話題か
- 時間・時刻の話題か
- 距離・場所の話題か
- 抽象的な内容か
ステップ2:構文パターンの確認
次に、itの後に続く語句を確認します。
- be動詞 + 天候表現
- be動詞 + 時間表現
- be動詞 + 距離表現
- be動詞 + 形容詞 + to不定詞/that節
ステップ3:適切なitの選択
パターンに基づいて、適切な用法を判断します。
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ is necessary to submit all documents before the deadline.
(A) There
(B) It
(C) This
(D) That
まず文脈と構文を分析してみてください。
正解は(B)です!
「to submit all documents...」が真の主語なので、仮主語「It」が必要です。 「It is + 形容詞 + to不定詞」の構文です。
問題2:_____ took us three hours to reach the destination.
(A) There
(B) It
(C) We
(D) The trip
正解は(B)です!
「It took + 人 + 時間 + to不定詞」は「〜するのに時間がかかった」という意味の時間itの構文です。
600点突破のための応用テクニック
600点レベルでは、より複雑なit構文も出題されます。
応用パターン1:複合的な仮主語構文
_____ is our understanding that the contract will be renewed automatically.
(A) There
(B) It
(C) This
(D) What
正解は(B)です。 「It is + 名詞 + that節」の構文で、仮主語itが必要です。
応用パターン2:時間と距離の組み合わせ
_____ will take about 30 minutes, and _____ is only 5 kilometers away.
(A) It / it
(B) There / there
(C) This / that
(D) We / it
正解は(A)です。 最初は時間it、2番目は距離itです。
効率的な覚え方
4つの用法を効率的に覚える方法があります。
覚え方1:キーワード連想法
天候 → sunny, rainy(天気予報をイメージ) 時間 → takes, o'clock(時計をイメージ) 距離 → far, close(地図をイメージ) 仮主語 → important, necessary(重要性をイメージ)
覚え方2:例文セット暗記
It is sunny today.(天候)
It is 3 o'clock.(時間)
It is far from here.(距離)
It is important to study.(仮主語)
覚え方3:構文パターン暗記
It is + 天候形容詞 It takes + 時間 It is + 距離 It is + 形容詞 + to不定詞
まとめ
代名詞itのポイントは、4つの用法の正確な理解と使い分けということです。
この記事で紹介した判別テクニックを使えば、itの4用法を確実に見分けられるようになります。
特に仮主語itの理解は、600点レベルで重要なスキルです。 ぜひ今日から実践して、代名詞itを得点源にしてくださいね!