Part5で「Not all students passed the exam」のような文を見て「全員が落ちたの?それとも一部だけ?」と混乱したことはありませんか?
「not allって『すべて〜ない』だから全否定だと思うけど、何となく違う気がする」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、英語の否定表現には部分否定と全否定という2つの概念があり、notの位置によって意味が大きく変わるんです。
今回は、TOEIC Part5で年間約2-4問出題される否定表現を、論理的に完全理解する方法をお伝えします。
部分否定と全否定の基本概念
まず、この2つの否定がどう違うかを身近な例で理解しましょう。
部分否定:「すべてが〜というわけではない」
コンビニで「すべての商品が安いわけではない」と言う場合を想像してみてください。 これは「高い商品もあるし、安い商品もある」という意味ですよね。
英語でも「Not all products are cheap」と表現します。 一部は安いけれど、すべてではないというのが部分否定の考え方です。
全否定:「すべて〜ない」
一方、「商品はどれも安くない」と言う場合は、すべての商品が高いという意味です。
英語では「No products are cheap」や「All products are not cheap」と表現します。 例外なく、すべて否定するのが全否定です。
Part5での出題傾向
否定表現は、Part5で年間約2-4問出題される重要な文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:not all/every構文
最も頻出するパターンです。
例題:
_____ employees attended the mandatory training session.
(A) Not all
(B) No
(C) None of
(D) Neither
正解は(A) Not all です。 部分否定で「すべての従業員が出席したわけではない」という意味になります。
パターン2:not always/necessarily構文
頻度や必然性の部分否定です。
パターン3:not both/either構文
2つのものに関する否定表現です。
部分否定の完全理解
基本構造:Not + 全体詞
全体詞とは:
all, every, always, both, necessarily など
Not all → すべてが〜というわけではない
Not every → すべての〜が〜というわけではない
Not always → いつも〜というわけではない
Not both → 両方とも〜というわけではない
論理的な意味
部分否定は、一部は肯定、一部は否定を表します。
Not all students are smart.
= Some students are smart, but some are not.
(一部の学生は賢いが、そうでない学生もいる)
よく使われる部分否定表現
not all「すべて〜というわけではない」
Not all managers are experienced.
(すべてのマネージャーが経験豊富というわけではない)
→ 経験豊富なマネージャーもいるし、そうでないマネージャーもいる
not every「すべての〜が〜というわけではない」
Not every project is successful.
(すべてのプロジェクトが成功するわけではない)
→ 成功するプロジェクトもあるし、失敗するプロジェクトもある
not always「いつも〜というわけではない」
The weather is not always predictable.
(天気はいつも予測可能というわけではない)
→ 予測可能な時もあるし、そうでない時もある
全否定の完全理解
基本構造:否定詞 + 肯定文
否定詞:
no, none, never, neither, nobody, nothing など
No students → 学生は誰も〜ない
None of → 〜のうち誰も(何も)〜ない
Never → 決して〜ない
Neither → どちらも〜ない
論理的な意味
全否定は、例外なくすべて否定を表します。
No students passed the exam.
= All students failed the exam.
(学生は全員試験に落ちた)
よく使われる全否定表現
no + 名詞「〜は全く〜ない」
No employees complained about the new policy.
(新しい方針について文句を言った従業員は一人もいない)
none of「〜のうち誰も(何も)〜ない」
None of the proposals was accepted.
(提案はどれも受け入れられなかった)
never「決して〜ない」
The company never compromises on quality.
(その会社は品質で決して妥協しない)
部分否定と全否定の見分け方
判断基準1:notの位置
部分否定:Not + 全体詞 + 動詞
全否定:否定詞 + 名詞 + 動詞
判断基準2:論理テスト
文の意味を「すべて〜ない」と「一部は〜、一部は〜ない」のどちらで解釈するか確認します。
判断基準3:文脈チェック
前後の文脈から、完全否定か部分否定かを判断します。
間違えやすい落とし穴
落とし穴1:All...notの解釈
All students are not smart. (あいまい)
→ Not all students are smart. (部分否定:推奨)
→ No students are smart. (全否定:推奨)
対策:
「All...not」は避けて、明確な表現を使う
落とし穴2:everyとallの混同
Not every person → 個々の人について部分否定
Not all people → 集団全体について部分否定
微妙な違い:
everyは個別性、allは全体性を強調
落とし穴3:bothとeitherの否定
部分否定:Not both books are interesting.
(両方とも面白いわけではない)
全否定:Neither book is interesting.
(どちらの本も面白くない)
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ the participants agreed with the new proposal.
(A) Not all
(B) No
(C) None of
(D) Never
考えてみてくださいね。
正解は(A) Not all です!
文脈から「参加者の一部は賛成したが、全員ではない」という部分否定が適切です。 「すべての参加者が新しい提案に賛成したわけではない」という意味になります。
問題2:_____ employee has access to confidential information.
(A) Not every
(B) No
(C) Not all
(D) None
正解は(B) No です!
機密情報へのアクセスは限定的なので、「従業員は誰も機密情報にアクセスできない」という全否定が適切です。
問題3:The new system is _____ perfect, but it's much better than before.
(A) not always
(B) not all
(C) never
(D) not
正解は(D) not です!
「but it's much better」という文脈から、単純否定の「完璧ではない」が適切です。 部分否定「not always perfect」だと「いつも完璧というわけではない」となり、文脈に合いません。
本番での時間短縮テクニック
テクニック1:notの位置瞬間チェック
notが全体詞の前にあるか後にあるかを即座に確認します。
Not all → 部分否定
All not → 避けるべき表現
テクニック2:否定詞認識法
no, none, never, neitherなどを見つけたら全否定を疑います。
テクニック3:文脈推論法
「but」「however」などの接続詞から、部分否定か全否定かを推測します。
ビジネス英語での頻出表現
部分否定の典型例
- Not all customers are satisfied with the service.
(すべてのお客様がサービスに満足しているわけではない)
- Not every project meets the deadline.
(すべてのプロジェクトが期限を守るわけではない)
- The strategy is not always effective.
(その戦略がいつも効果的というわけではない)
全否定の典型例
- No employees were laid off this quarter.
(今四半期は従業員の解雇は一切なかった)
- None of the proposals was cost-effective.
(提案はどれも費用対効果が良くなかった)
- The company never compromises on safety.
(会社は安全性で決して妥協しない)
高度な否定表現
応用1:hardly/scarcely(準否定)
Hardly any employees → ほとんどの従業員は〜ない
Scarcely anyone → ほとんど誰も〜ない
応用2:否定の強調
Not a single employee → 従業員は一人として〜ない
By no means → 決して〜ない
Under no circumstances → いかなる状況でも〜ない
応用3:部分否定の言い換え
Not all = Some...not
Not every = Some...not
Not always = Sometimes...not
論理的思考での理解
ベン図での視覚化
部分否定 (Not all A are B):
A の集合の一部がBに属し、一部は属さない
全否定 (No A are B):
A の集合とBの集合に重なりが全くない
量詞との関係
All (100%) → Not all (0-99%)
Some (1-99%) → None (0%)
Always (100%) → Not always (0-99%)
Never (0%) → Sometimes (1-99%)
まとめ
部分否定・全否定は、notの位置と論理的意味の理解が最重要ポイントです。
今回紹介した判断基準を意識して問題を解けば、
- 解答時間が35%短縮される
- 正答率が90%以上になる
- 論理的思考力が向上する
という効果が期待できます。
特に730点以上を目指す方には、否定表現の論理的理解は必須スキルです。 ぜひ今日から実践して、確実にスコアアップを目指してくださいね!