Part5で「The focus is not on quantity _ quality」を見て「and?but?or?」と迷ったことはありませんか?
「『〜ではなく』という意味だから...でもどの接続詞が正しいの?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、対比による強調には**「not A but B」という明確な構造**があり、そのパターンさえ覚えれば迷うことなく正解できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で年間約5問出題される対比強調構文を、分かりやすくお伝えします。
対比による強調の基本を理解しよう
対比による強調を簡単に説明すると、「間違った理解を否定して、正しい情報を強調する表現」です。
例えば、日本語でも:
- 「大切なのは量ではなく質です」
- 「問題は技術力ではなく経験不足です」
- 「必要なのは時間ではなく効率です」
のように、誤解を避けるために「〜ではなく」という否定を使って、本当に重要な点を明確にしますよね。
英語でも同様に、「not A but B」という構造で明確な対比を作り、誤解のない意思伝達を行います。
Part5での対比強調出題パターン
対比強調構文は、Part5で年間約5問出題される重要な分野です。
主な出題パターンは以下の4つです。
パターン1:not A but B の基本構造
最も頻出するのが、基本的な「not A but B」構造の完成を問うパターンです。
例題:
The success depends not on luck _____ on preparation.
(A) and
(B) but
(C) or
(D) so
正解は(B)です。 「not A but B」構造では「but」を使用します。
パターン2:品詞の一致
AとBの品詞を一致させる並列構造のパターンもあります。
パターン3:語順の確認
not の位置や強調したい要素の配置を問うパターンです。
パターン4:応用表現
rather than、instead ofなど類似表現との使い分けパターンもあります。
not A but B 構文の基本構造
対比強調の基本構造を詳しく見ていきましょう。
基本パターン
構造:
not A but B
意味:
「AではなくB」
強調効果:
Bに注意を向ける
具体例で理解する
名詞の対比:
The problem is not money but time.
(問題はお金ではなく時間です)
→ 「time」が強調される
形容詞の対比:
The solution should be not temporary but permanent.
(解決策は一時的ではなく永続的であるべきです)
→ 「permanent」が強調される
動詞の対比:
We should not postpone but accelerate the project.
(プロジェクトを延期するのではなく加速すべきです)
→ 「accelerate」が強調される
位置による違い
文頭での強調:
Not quantity but quality matters most.
(量ではなく質が最も重要です)
→ 文全体の対比を強調
文中での対比:
We focus not on short-term profits but on long-term growth.
(短期利益ではなく長期成長に焦点を当てています)
→ 動詞の目的語を対比
品詞の一致ルール
not A but B構文では、AとBの品詞を一致させることが重要です。
名詞 vs 名詞
正しい例:
✅ We need not workers but leaders.
(作業者ではなくリーダーが必要です)
→ 両方とも名詞
間違った例:
❌ We need not workers but to lead.
→ 名詞 vs 不定詞(品詞不一致)
形容詞 vs 形容詞
正しい例:
✅ The design is not complex but simple.
(デザインは複雑ではなくシンプルです)
→ 両方とも形容詞
動詞 vs 動詞
正しい例:
✅ We should not criticize but encourage.
(批判するのではなく励ますべきです)
→ 両方とも動詞の原形
句 vs 句
前置詞句の対比:
✅ Focus not on the problem but on the solution.
(問題ではなく解決策に焦点を当てる)
→ 両方とも前置詞句
不定詞句の対比:
✅ We decided not to postpone but to proceed immediately.
(延期するのではなく即座に進めることを決めた)
→ 両方とも不定詞句
ビジネス英語での実践活用
TOEICでよく出るビジネス場面での対比強調を紹介します。
戦略・方針の明確化
Our strategy is not to compete on price but to focus on quality.
(我々の戦略は価格競争ではなく品質重視です)
The goal is not just profit but sustainable growth.
(目標は単なる利益ではなく持続可能な成長です)
問題解決の方向性
The solution lies not in cutting costs but in improving efficiency.
(解決策はコスト削減ではなく効率改善にあります)
We should address not the symptoms but the root cause.
(症状ではなく根本原因に対処すべきです)
評価・判断基準
Success is measured not by speed but by accuracy.
(成功は速度ではなく正確性で測られます)
We evaluate candidates not only on skills but also on cultural fit.
(候補者をスキルだけでなく企業文化への適合性でも評価します)
優先順位の設定
The priority is not immediate results but long-term stability.
(優先事項は即座の結果ではなく長期的安定性です)
We emphasize not quantity but quality of customer service.
(顧客サービスの量ではなく質を重視します)
よくある間違いと対策
日本人学習者が特に間違えやすいポイントを整理しました。
間違い1:接続詞の誤選択
間違った例:
❌ The focus is not on quantity and quality.
❌ The focus is not on quantity or quality.
正しい例:
✅ The focus is not on quantity but on quality.
(対比にはbutを使用)
間違い2:品詞の不一致
間違った例:
❌ We need not to hesitate but acting quickly.
(to不定詞 vs 動名詞)
正しい例:
✅ We need not to hesitate but to act quickly.
(両方とも不定詞)
間違い3:並列要素の不完全
間違った例:
❌ The problem is not the technology but we lack experience.
(名詞 vs 節)
正しい例:
✅ The problem is not the technology but our lack of experience.
(両方とも名詞句)
類似表現との使い分け
not A but B以外の対比表現も覚えておきましょう。
rather than(〜よりもむしろ)
We chose quality rather than quantity.
(量よりもむしろ質を選びました)
→ より穏やかな対比
instead of(〜の代わりに)
Use collaboration instead of competition.
(競争の代わりに協力を使いなさい)
→ 代替案の提示
as opposed to(〜とは対照的に)
We focus on results as opposed to processes.
(プロセスとは対照的に結果に焦点を当てます)
→ フォーマルな対比
versus / vs(〜対〜)
It's a matter of quality versus quantity.
(質対量の問題です)
→ 競争・比較のニュアンス
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:次の文で適切な語はどれでしょうか?
The key to success is not talent _____ hard work.
(A) and
(B) but
(C) or
(D) nor
対比構造を考えて答えてみてくださいね。
正解は(B) butです!
解答プロセス:
- 「not A but B」構造
- 「才能ではなく努力」という対比
- 対比強調には「but」を使用
問題2:次の文で適切な語はどれでしょうか?
We should focus not on problems but on _____.
(A) solve
(B) solving
(C) solutions
(D) to solve
正解は(C) solutionsです!
解答プロセス:
- 「not on problems but on ___」
- 前置詞onの後には名詞が必要
- 「problems」と並列なので「solutions」
## 応用パターンと発展
not A but B構文の応用パターンを見ていきましょう。
### 三重対比
The challenge is not technical, not financial, but organizational. (課題は技術的でも財政的でもなく組織的なものです)
### 部分否定との組み合わせ
Not all employees but some need additional training. (全従業員ではなく一部が追加研修を必要としています)
### 強調語との組み合わせ
What matters is not just efficiency but also effectiveness. (重要なのは効率だけでなく有効性でもあります)
### 条件節での使用
If we focus not on blame but on solutions, we can resolve this. (非難ではなく解決策に焦点を当てれば、これを解決できます)
## 実戦での時短テクニック
対比強調問題を効率的に解くコツを紹介します。
### テクニック1:notを見つける
文中に「not」があれば、「but」を探しましょう。
### テクニック2:並列要素を確認
AとBの品詞や構造が同じかをチェックします。
### テクニック3:意味の対比性を確認
AとBが論理的に対比されているかを確認します。
## まとめ
対比による強調のポイントは、**「not A but B」構造で明確な対比を作る**ことです。
基本構造:
- **not A but B** - AではなくB
- **品詞の一致** - AとBは同じ品詞・構造
- **論理的対比** - AとBは対照的な関係
使用効果:
- **誤解の防止** - 間違った理解を修正
- **重要点の強調** - Bに注意を集中
- **明確な意思伝達** - 曖昧さの排除
応用パターン:
- **rather than** - より穏やかな対比
- **instead of** - 代替案の提示
- **as opposed to** - フォーマルな対比
この構造をマスターすれば、Part5での対比強調問題は確実に得点源になります。
ビジネス英語では明確な意思伝達が重要なので、対比による強調は実際の場面でも非常に有用な表現技術です。
ぜひ今日から実践して、対比構文の力でスコアアップを目指してくださいね!