Part5で「The company's performance has _ significantly this quarter」を見て、どの動詞が適切か迷ったことはありませんか?
「improved?increased?enhanced?似たような意味の単語がたくさんあって、どれを選べばいいの?」と悩んでしまうこと、ありますよね。
実は、文脈に応じた語彙選択には5つの明確なコツがあり、そのテクニックさえ覚えれば迷うことなく正解できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で年間約10問出題される語彙選択問題の攻略法を、分かりやすくお伝えします。
意味の照応の基本を理解しよう
意味の照応を簡単に説明すると、「文脈に最も適した語彙を選ぶ」ことです。
例えば、日本語でも「売上が向上した」「成績が向上した」「技術が向上した」のように、同じ「向上」でも使う場面によってニュアンスが違いますよね。
これと同じように、英語でも文脈によって最適な語彙があり、単純に意味が似ているだけでは正解にならないことが多いんです。
TOEICでは、このような文脈判断能力が重要視され、単語の暗記だけでは解けない問題が頻出します。
Part5での語彙選択出題パターン
語彙選択問題は、Part5で年間約10問出題される最頻出分野です。
主な出題パターンは以下の5つです。
パターン1:類義語の使い分け
最も頻出するのが、似た意味の語彙から適切なものを選ぶパターンです。
例題:
The new marketing strategy will _____ our brand awareness.
(A) improve
(B) enhance
(C) increase
(D) develop
この場合、「brand awareness(ブランド認知度)」という文脈から「enhance(向上させる)」が最適です。
パターン2:コロケーション
特定の語と組み合わせて使われる語彙を選ぶパターンもあります。
パターン3:業界・分野特有の語彙
ビジネス、技術、医療など特定分野でよく使われる語彙を問うパターンです。
パターン4:感情・態度を表す語彙
ポジティブ・ネガティブな文脈に応じた語彙選択パターンもあります。
パターン5:程度・強さを表す語彙
変化の大きさや重要度に応じた語彙を選ぶパターンです。
5つの語彙選択コツ
文脈に応じた語彙選択を確実にする5つのテクニックを紹介します。
コツ1:キーワードを探す(20秒)
文中の重要なキーワードを見つけて、それと相性の良い語彙を選びます。
キーワード例:
- profits → increase/rise/grow(数値的な増加)
- quality → improve/enhance(質的な向上)
- problems → solve/resolve/address(問題への対処)
- reputation → build/establish/maintain(評判の構築)
実例:
The company's profits _____ by 20% last year.
→ 「profits」「20%」→ 数値的増加 → increase
コツ2:コロケーションをチェック(15秒)
英語には決まった語の組み合わせ(コロケーション)があります。
頻出コロケーション:
- make a decision/mistake/effort/progress
- take action/measures/responsibility/advantage
- conduct research/survey/business/meeting
- implement strategy/plan/policy/system
実例:
The manager will _____ a decision by Friday.
→ 「decision」→ make a decision → make
コツ3:文の流れを読む(10秒)
文全体の論理的な流れから適切な語彙を推測します。
論理関係:
- 原因→結果:therefore, consequently, as a result
- 対比:however, nevertheless, on the other hand
- 追加:furthermore, moreover, in addition
- 例示:for example, such as, namely
実例:
Sales decreased last quarter. _____, we need to change our strategy.
→ 悪い結果→対策の必要性 → Therefore
コツ4:語彙のレベルをチェック(10秒)
文章の格式や専門性に応じて適切なレベルの語彙を選びます。
フォーマル語彙:
- assist(help)
- commence(start)
- terminate(end)
- utilize(use)
ビジネス専門語彙:
- revenue(売上)
- expenditure(支出)
- acquisition(買収)
- subsidiary(子会社)
コツ5:消去法を活用(5秒)
明らかに不適切な選択肢を除外して正解率を上げます。
除外基準:
- 文法的に不適切
- 意味が文脈と矛盾
- コロケーションとして不自然
- レジスター(言語使用域)が不適切
頻出語彙パターン別攻略
TOEICでよく出る語彙選択パターンを詳しく見ていきましょう。
ビジネス成果・業績
数値的増加:
- increase(増加する)
- rise(上昇する)
- grow(成長する)
- expand(拡大する)
質的向上:
- improve(改善する)
- enhance(向上させる)
- upgrade(格上げする)
- optimize(最適化する)
例文:
The company's market share _____ from 15% to 20%.
→ 具体的数値 → increased
問題・課題への対処
問題解決:
- solve(解決する)
- resolve(解決する)
- address(対処する)
- tackle(取り組む)
予防・回避:
- prevent(防ぐ)
- avoid(避ける)
- minimize(最小化する)
- eliminate(除去する)
計画・戦略の実行
開始・着手:
- implement(実施する)
- launch(開始する)
- initiate(着手する)
- commence(開始する)
継続・維持:
- maintain(維持する)
- sustain(持続する)
- continue(継続する)
- preserve(保持する)
よくある間違いと対策
日本人学習者が特に間違えやすいポイントを整理しました。
間違い1:日本語の意味に引きずられる
間違った例:
❌ The meeting will finish at 5 PM.
(「終了」という意味で「finish」を選択)
正しい例:
✅ The meeting will end at 5 PM.
(会議の終了には「end」が適切)
間違い2:コロケーションを無視
間違った例:
❌ Please do a phone call to the client.
正しい例:
✅ Please make a phone call to the client.
(「make a phone call」が正しいコロケーション)
間違い3:文脈を無視した語彙選択
間違った例:
❌ The expensive product was very cheap.
(文脈的に矛盾)
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:次の文で適切な語彙はどれでしょうか?
The company decided to _____ a new branch in Tokyo.
(A) make
(B) establish
(C) create
(D) build
5つのコツを使って考えてみてくださいね。
正解は(B) establishです!
解答プロセス:
- キーワード:「branch」(支社)
- コロケーション:establish a branch
- ビジネス文脈:「establish」が最適
問題2:次の文で適切な語彙はどれでしょうか?
Customer satisfaction has _____ dramatically since we improved our service.
(A) increased
(B) enhanced
(C) developed
(D) advanced
正解は(A) increasedです!
解答プロセス:
- キーワード:「dramatically」(劇的に)
- 文脈:顧客満足度の変化
- 数値的変化:「increased」が適切
実戦での時短テクニック
語彙選択問題を効率的に解くテクニックを紹介します。
テクニック1:選択肢を先に見る
問題文を読む前に選択肢をざっと確認し、どんな種類の語彙問題かを把握します。
テクニック2:強いキーワードを優先
文中で最も重要そうなキーワードを見つけて、それを基準に選択肢を絞ります。
テクニック3:直感と論理のバランス
最初の直感も大切にしつつ、論理的な根拠で確認しましょう。
語彙力向上のための学習法
Part5の語彙選択力を向上させる効果的な学習方法を紹介します。
学習法1:コロケーション重視
単語を覚えるときは、必ずコロケーション(語の組み合わせ)も一緒に覚えましょう。
decision → make a decision
research → conduct research
advantage → take advantage
学習法2:文脈付きで暗記
単語を孤立して覚えるのではなく、文脈の中で覚えることが重要です。
学習法3:類義語の使い分け学習
似た意味の語彙の微妙な違いを理解し、使い分けを身につけましょう。
まとめ
文脈に応じた語彙選択のポイントは、5つのコツを組み合わせることです。
- キーワードを探す(20秒)
- コロケーションをチェック(15秒)
- 文の流れを読む(10秒)
- 語彙のレベルをチェック(10秒)
- 消去法を活用(5秒)
この5つのコツを順番に使えば、Part5での語彙選択問題は確実に得点源になります。
特にキーワードとコロケーションの組み合わせは、最も効果的な判断材料になります。
ぜひ今日から実践して、文脈読解力を向上させてスコアアップを目指してくださいね!