Part5で「as if」や「as though」の問題が出ると「仮定法だっけ?時制はどうなるの?」と混乱したことはありませんか?
「まるで〜のように」という意味は分かるけれど、その後の動詞の形で迷ってしまうこと、ありますよね。
実は、as if/as though構文には明確な時制ルールがあり、主節の時制を見れば瞬時に正しい仮定法を選択できるようになります。
今回は、TOEIC Part5で年間約2-4問出題される様態表現を、上級者レベルで完全マスターする方法をお伝えします。
様態表現の基本概念
まず、as if/as though構文がどういう意味を表すかを理解しましょう。
様態表現とは、簡単に言うと「現実とは違うことを仮定して、様子を表現する」ことです。 例えば、友達が疲れているとき「まるでマラソンを走ったみたいだね」と言いますよね。
実際にマラソンを走ったわけではないけれど、そのくらい疲れているという様子を表現しています。
英語でも「You look as if you ran a marathon」と同じように、現実ではないことを仮定して表現するんです。
Part5での出題傾向
as if/as though構文は、Part5で年間約2-4問出題される上級文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:仮定法過去
現在の状況について、現在の事実と反対のことを表現する場合です。
例題:
She speaks as if she _____ a native speaker.
(A) is
(B) was
(C) were
(D) had been
正解は(C) were です。 現在の事実「彼女はネイティブスピーカーではない」と反対のことを表現する仮定法過去になります。
パターン2:仮定法過去完了
過去の状況について、過去の事実と反対のことを表現する場合です。
パターン3:直説法(事実として)
稀に、実際の事実を表現する場合もあります。
as if/as thoughの時制判断法
基本原則:主節の時制によって決まる
現在時制の主節 → 仮定法過去 過去時制の主節 → 仮定法過去完了
パターン1:現在の主節 + 仮定法過去
基本構造:現在形/現在進行形 + as if + 仮定法過去
He talks as if he knew everything.
(彼はまるで何でも知っているかのように話す)
→ 実際は知らない
She acts as if she were the boss.
(彼女はまるでボスであるかのように振る舞う)
→ 実際はボスではない
ポイント:
be動詞は人称に関係なく「were」を使用
パターン2:過去の主節 + 仮定法過去完了
基本構造:過去形/過去進行形 + as if + 仮定法過去完了
He talked as if he had been there before.
(彼はまるで前にそこに行ったことがあるかのように話した)
→ 実際は行ったことがない
She looked as if she had seen a ghost.
(彼女はまるで幽霊を見たかのような表情だった)
→ 実際は幽霊を見ていない
ポイント:
「had + 過去分詞」の形を使用
仮定法の時制変化ルール
仮定法過去の作り方
一般動詞:
過去形を使用
be動詞:
主語に関係なく「were」
現実:He is rich. → 仮定法:as if he were poor
現実:She knows it. → 仮定法:as if she didn't know it
現実:They have money. → 仮定法:as if they had no money
仮定法過去完了の作り方
すべての動詞:
had + 過去分詞
現実:He went there. → 仮定法:as if he had never been there
現実:She finished it. → 仮定法:as if she hadn't done anything
現実:They met him. → 仮定法:as if they had never seen him
as ifとas thoughの違い
基本的に同じ意味
He looks as if he is tired. = He looks as though he is tired.
(彼は疲れているように見える)
微妙なニュアンスの違い
- as if: より一般的、カジュアル
- as though: よりフォーマル、文語的
TOEIC では:
基本的に同じものとして扱われる
実際の問題での判断手順
ステップ1:主節の時制を確認
現在形・現在進行形 → 仮定法過去を選択
過去形・過去進行形 → 仮定法過去完了を選択
ステップ2:be動詞の特殊ルールを適用
仮定法過去では、主語に関係なく「were」を使用
ステップ3:文脈で事実との関係を確認
実際とは反対のことを表現しているかチェック
間違えやすい落とし穴
落とし穴1:be動詞の人称変化
❌ He acts as if he was the manager.
⭕ He acts as if he were the manager.
対策:
仮定法過去のbe動詞は常に「were」
落とし穴2:主節の時制との不一致
❌ Yesterday, he talked as if he were rich.
⭕ Yesterday, he talked as if he had been rich.
対策:
過去の主節には仮定法過去完了
落とし穴3:直説法との混同
事実として:It looks as if it will rain. (雨が降りそうに見える)
仮定法:She talks as if she were an expert. (専門家のように話す)
対策:
文脈で事実か仮定かを判断
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The new employee works as if he _____ here for years.
(A) is
(B) was
(C) were
(D) had been
考えてみてくださいね。
正解は(D) had been です!
主節が現在形「works」ですが、「for years」は過去から現在までの継続を表すので、仮定法過去完了を使います。 「新入社員は何年もここにいるかのように働く」という意味になります。
問題2:She looked as if she _____ the answer to every question.
(A) knows
(B) knew
(C) had known
(D) would know
正解は(B) knew です!
主節が過去形「looked」なので、通常なら仮定法過去完了ですが、この場合は同時性を表すので仮定法過去を使います。 「彼女はすべての質問の答えを知っているかのような表情だった」という意味になります。
問題3:The manager speaks as if the project _____ already completed.
(A) is
(B) was
(C) were
(D) had been
正解は(C) were です!
主節が現在形「speaks」で、「completed」は形容詞として使われているので、仮定法過去のbe動詞「were」が適切です。 「マネージャーはプロジェクトがすでに完了しているかのように話す」という意味になります。
本番での時間短縮テクニック
テクニック1:主節時制瞬間判断法
主節を見た瞬間に時制を判断します。
- 現在系 → 仮定法過去候補を探す
- 過去系 → 仮定法過去完了候補を探す
テクニック2:be動詞優先法
選択肢にbe動詞がある場合、「were」を優先的に検討します。
テクニック3:継続表現チェック法
「for + 期間」「since + 時点」があれば、完了形を疑います。
高度な用法と応用
応用1:wish構文との類似性
I wish I were rich. (仮定法過去)
He acts as if he were rich. (仮定法過去)
応用2:現在完了との組み合わせ
She has been acting as if she were innocent.
(彼女は無実であるかのように振る舞い続けている)
応用3:未来への言及
He talks as if he would succeed.
(彼は成功するかのように話す)
類似表現との区別
as if vs like
フォーマル:He acts as if he were a king.
カジュアル:He acts like a king.
as if vs as
仮定:She talks as if she knew everything.
事実:She talks as she always does.
ビジネス英語での頻出表現
よく使われるパターン
- act as if/though (〜のように振る舞う)
- look as if/though (〜のように見える)
- sound as if/though (〜のように聞こえる)
- feel as if/though (〜のように感じる)
- seem as if/though (〜のようである)
ビジネス文脈での例文
The CEO spoke as if the merger were already decided.
(CEOは合併がすでに決定しているかのように話した)
The presentation looked as if it had been prepared hastily.
(そのプレゼンテーションは急いで準備されたかのように見えた)
まとめ
as if/as though構文は、主節の時制とbe動詞の特殊ルールが最重要ポイントです。
今回紹介した判断基準を意識して問題を解けば、
- 解答時間が30%短縮される
- 正答率が85%以上になる
- 上級文法の理解が深まる
という効果が期待できます。
特に860点以上を目指す方には、仮定法の完全理解は必須スキルです。 ぜひ今日から実践して、確実にスコアアップを目指してくださいね!