Part6で選択肢を見る前に、空欄に何が入るか想像していますか?
「選択肢をすぐに見てしまう」「文脈から推測する前に答えを探してしまう」という習慣は、実は得点を下げる原因になっています。
実際に、高得点者の多くは選択肢を見る前に「空欄に入る内容」を予測する習慣を持っています。
今回は、文脈から空欄の答えを推測してから確認する「予測読み」の練習法を詳しくお伝えします。
予測読みとは何か
予測読みとは、文章の流れから空欄に入る内容を予測してから、選択肢を確認する読解技術です。
従来の解法との違いを見てみましょう。
従来の解法(選択肢先読み)
- 空欄を見つける
- すぐに選択肢を確認する
- 選択肢から適切なものを選ぶ
- 文脈と照らし合わせて確認する
予測読み解法
- 空欄を見つける
- 文脈から空欄の内容を予測する
- 予測した内容と一致する選択肢を探す
- 文脈と照らし合わせて最終確認する
この違いにより、正答率が約20-30%向上し、解答時間も短縮されます。
予測読みの3つの効果
なぜ予測読みが効果的なのか、具体的な効果を見てみましょう。
効果1:文脈理解力の向上
選択肢を見る前に文脈を深く読み込むため、文章全体の理解が深まります。
結果として、Part6だけでなくPart7の読解力も向上します。
効果2:選択肢の惑わしに騙されない
予測読みでは、自分の予測と一致する選択肢を探すため、間違った選択肢に惑わされにくくなります。
特に「文法的には正しいが文脈に合わない」選択肢を避けることができます。
効果3:解答時間の短縮
予測した内容と一致する選択肢をピンポイントで見つけるため、全選択肢を詳しく検討する必要がなくなります。
1問あたり平均20-30秒の時間短縮が期待できます。
予測読みの基本プロセス
効果的な予測読みのための、5ステップのプロセスをご紹介します。
ステップ1:文章全体をスキャン(30秒)
まず、文章全体に目を通し、以下を確認します。
- 文書の種類:メール、案内、広告など
- 話題:何についての文章か
- 構成:段落数と各段落の役割
ステップ2:空欄前後を重点的に読む(45秒)
空欄の前後2文程度を注意深く読みます。
- 空欄の前文:どんな情報が提示されているか
- 空欄の後文:どんな情報が続くか
- 論理的な流れ:因果関係、対比、補足など
ステップ3:空欄の内容を予測(30秒)
文脈から、空欄に入る内容を具体的に予測します。
- 品詞:名詞、動詞、形容詞、副詞など
- 意味:肯定的、否定的、中立的など
- 機能:原因、結果、例示、対比など
ステップ4:選択肢と照合(30秒)
予測した内容と一致する選択肢を探します。
完全一致でなくても、意味が近い選択肢があれば候補とします。
ステップ5:文脈で最終確認(15秒)
選んだ選択肢を空欄に入れて、文脈上自然かどうかを確認します。
実践的な予測読み練習
具体的な文章を使って、予測読みの練習をしてみましょう。
練習例1:ビジネスメール
Subject: Quarterly Sales Meeting
Dear Team,
I hope this email finds you well. I am writing to inform you about our upcoming quarterly sales meeting scheduled for next Friday at 2:00 PM in Conference Room A.
_____ (1) we will discuss the results of Q3 and set goals for Q4, please prepare your individual sales reports beforehand.
The meeting agenda includes product updates, market analysis, and strategic planning for the next quarter. _____ (2) attending this meeting is crucial for our team's success.
Please confirm your attendance by replying to this email. _____ (3) you have any scheduling conflicts, please let me know as soon as possible.
Best regards,
Sarah Johnson
予測読み実践
問題(1)の予測:
空欄前後の文脈を読むと:
- 前文:「次の金曜日2時に会議がある」
- 後文:「Q3の結果を話し合い、Q4の目標を設定する」「個人の売上報告を事前に準備してください」
予測内容:
「会議でQ3の結果を話し合うので」という因果関係を表す接続詞が入ると推測されます。
答え:Since / As / Because
問題(2)の予測:
空欄前後の文脈を読むと:
- 前文:「アジェンダには商品アップデート、市場分析、戦略計画が含まれる」
- 後文:「この会議に参加することはチームの成功に不可欠だ」
予測内容:
「したがって」「そのため」という結論を導く副詞が入ると推測されます。
答え:Therefore / Thus / Hence
問題(3)の予測:
空欄前後の文脈を読むと:
- 前文:「このメールに返信して出席を確認してください」
- 後文:「スケジュールの衝突があれば、できるだけ早く知らせてください」
予測内容:
「もし」という条件を表す接続詞が入ると推測されます。
答え:If
文書タイプ別の予測のコツ
Part6では、文書の種類によって予測のポイントが異なります。
ビジネスメール
よく出る接続表現:
- 理由:Since, As, Because
- 結果:Therefore, Thus, Hence
- 条件:If, Unless, In case
予測のポイント:
- メールの目的(依頼、報告、案内など)を把握する
- 送信者の意図を考える
- 受信者に求める行動を意識する
案内・通知文
よく出る接続表現:
- 追加:In addition, Furthermore, Moreover
- 対比:However, Nevertheless, On the other hand
- 時間:Meanwhile, Subsequently, Eventually
予測のポイント:
- 情報の優先順位を考える
- 読者の立場に立って考える
- 行動を促す表現に注目する
広告・宣伝文
よく出る接続表現:
- 強調:Indeed, Certainly, Definitely
- 例示:For example, For instance, Such as
- 要約:In summary, In conclusion, Overall
予測のポイント:
- 商品・サービスの利点を強調する流れ
- 顧客の関心を引く表現
- 行動を促す呼びかけ
予測読み練習のステップアップ
段階的に予測読みの能力を向上させるための練習方法をご紹介します。
レベル1:単語レベルの予測
空欄に入る単語の品詞と意味を予測します。
練習方法:
- 簡単な文章から始める
- 品詞を正確に予測する
- 肯定的・否定的な意味を判断する
レベル2:句レベルの予測
空欄に入る句(2-3語)の内容を予測します。
練習方法:
- 前置詞句や動詞句の予測
- 文の機能(時間、場所、理由など)を考える
- より具体的な内容を予測する
レベル3:文レベルの予測
空欄に入る文全体の内容を予測します。
練習方法:
- 段落の流れを意識する
- 論理的な構成を把握する
- 文章の結論を予測する
練習時間の効果的な配分
予測読みの練習を効果的に行うための時間配分をご紹介します。
週間練習スケジュール
月・水・金(新規練習)
- 予測読み練習:15分
- 答え合わせと解説:10分
- 振り返りと記録:5分
火・木・土(復習練習)
- 前回の問題を再予測:10分
- 予測精度の向上確認:10分
- 弱点補強:10分
日曜日(総合練習)
- 時間制限つき予測読み:20分
- 1週間の成果確認:10分
1日の練習内容
ウォーミングアップ(5分)
- 簡単な文章での予測練習
- 品詞や基本的な意味の予測
メイン練習(20分)
- Part6形式の文章での予測読み
- 段階的な難易度アップ
クールダウン(5分)
- 予測の精度確認
- 次回の改善点整理
よくある予測ミスと対策
予測読み練習でよくある間違いと、その対策をまとめました。
ミス1:文脈を無視した単語選択
原因:
単語の意味だけで判断し、文脈の流れを考えていない
対策:
- 空欄の前後3文を必ず読む
- 段落全体の話題を意識する
- 文章の目的を常に考える
ミス2:文法知識に頼りすぎる
原因:
文法的に正しい選択肢を選んでしまい、文脈に合わない
対策:
- 意味を最優先に考える
- 文法は最後の確認に使う
- 自然な日本語に置き換えて考える
ミス3:予測が曖昧すぎる
原因:
「何かが入る」程度の曖昧な予測で止まっている
対策:
- 具体的な単語やフレーズを予測する
- 複数の可能性を考える
- 最も可能性の高いものを選ぶ
まとめ
予測読みは、文脈理解力と正答率を同時に向上させる効果的な練習法です。
選択肢を見る前に空欄の内容を予測することで、文章全体の理解が深まり、惑わしの選択肢に騙されにくくなります。
今回紹介した5ステップのプロセスを意識して、毎日30分の練習を続けてください。 2-3週間で、明らかに予測精度と解答速度が向上するはずです。
ぜひ今日から予測読みの練習を始めて、Part6での得点力アップを実現しましょう!