Part5で「Why not...?」や「How about...?」の省略疑問文が出ると、「どちらを選べばいいの?」と迷ってしまうことはありませんか?
「提案するときはどっち?」「後ろに何が続くの?」と悩んでしまう方も多いですよね。
実は、これらの省略疑問文には明確な使い分けルールがあり、そのパターンを覚えれば迷わずに正解を選べるようになります。
今回は、730点突破に必要な省略疑問文のマスター法を、分かりやすく解説していきましょう。
省略疑問文とは?
省略疑問文を簡単に説明すると、「通常の疑問文の一部を省略した、より自然で簡潔な表現」のことです。
例えば、会議での提案場面を想像してみてください。 新しいアイデアを提案するとき:
✅ Why not try a different approach?
(違うアプローチを試してみませんか?)
✅ How about scheduling another meeting?
(別の会議を予定してはいかがですか?)
どちらも提案の表現ですが、微妙にニュアンスが異なるんです。
Why not...?の用法
「Why not...?」は積極的な提案や勧誘を表します。
基本構文
Why not + 動詞の原形...?
特徴:
- より直接的で積極的な提案
- 「〜してはどうですか?」「〜しませんか?」
- 相手の背中を押すような勧誘
よく使われるパターン
Why not give it a try?
(やってみませんか?)
Why not ask for help?
(助けを求めてはどうですか?)
Why not consider other options?
(他の選択肢を考えてみませんか?)
例文:
Why not implement the new system next month?
(来月新システムを導入してはいかがですか?)
How about...?の用法
「How about...?」は穏やかな提案や意見を求める表現です。
基本構文
How about + 名詞/動名詞...?
特徴:
- より柔らかく丁寧な提案
- 「〜はいかがですか?」「〜についてはどうですか?」
- 相手の意見を尊重する姿勢
よく使われるパターン
How about lunch?
(昼食はいかがですか?)
How about meeting tomorrow?
(明日会うのはどうですか?)
How about this proposal?
(この提案はいかがですか?)
例文:
How about discussing this issue in the next meeting?
(この問題を次の会議で話し合うのはいかがですか?)
使い分けのポイント
2つの表現の使い分けには、明確な基準があります。
積極性の違い
- Why not...? → より積極的・直接的
- How about...? → より控えめ・丁寧
後に続く語句の違い
- Why not + 動詞の原形
- How about + 名詞/動名詞
使用場面の違い
Why not...?を使う場面:
- 強く勧めたいとき
- 相手の行動を促したいとき
- 解決策を提示するとき
How about...?を使う場面:
- 丁寧に提案したいとき
- 相手の意見を聞きたいとき
- 複数の選択肢を示すとき
Part5での頻出出題パターン
省略疑問文は、Part5で年間約3-5問出題される文法項目です。
主な出題パターンは以下の3つです。
パターン1:構文の選択
適切な省略疑問文を選ぶパターンです。
例題:
_____ taking a break before we continue?
(A) Why not
(B) How about
(C) What about
(D) Why don't
正解は(B)です。 「taking」は動名詞なので「How about」が正解です。
パターン2:後続語句の判断
省略疑問文の後に続く適切な語句を選ぶパターンです。
例題:
Why not _____ the deadline by one week?
(A) extend
(B) extending
(C) extension
(D) extended
正解は(A)です。 「Why not」の後は動詞の原形「extend」が正解です。
パターン3:文脈による選択
文脈から適切な表現を選ぶパターンです。
例題:
The meeting is getting long. _____ a short break?
(A) Why not take
(B) How about taking
(C) What about take
(D) Why don't taking
正解は(B)です。 丁寧な提案の文脈で「How about taking」が適切です。
よく出るビジネス表現
Part5でよく出題される省略疑問文の決まった表現を覚えておきましょう。
Why not...?の頻出表現
Why not give it a try? → やってみませんか?
Why not ask for advice? → アドバイスを求めてはどうですか?
Why not consider alternatives? → 代替案を考えてみませんか?
Why not schedule a meeting? → 会議を予定してはどうですか?
Why not contact the client? → クライアントに連絡してみませんか?
How about...?の頻出表現
How about lunch? → 昼食はいかがですか?
How about tomorrow? → 明日はどうですか?
How about this idea? → このアイデアはいかがですか?
How about meeting next week? → 来週会うのはどうですか?
How about discussing this later? → これについて後で話し合いませんか?
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
- 後続語句の形を間違える:「Why not to go」のような誤用
- How aboutの後に動詞の原形を使う:「How about go」のような間違い
- 文脈を無視して選ぶ:積極性の度合いを考慮しない
特に「Why not + 動詞の原形」「How about + 動名詞/名詞」の区別は重要です。
実践問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:The project is behind schedule. _____ working overtime this week?
(A) Why not
(B) How about
(C) What about
(D) Why don't we
考えてみてくださいね。
正解は(B)です!
「working」は動名詞で、丁寧に提案する文脈なので「How about」が正解です。 「今週残業するのはいかがですか?」という意味になります。
問題2:_____ contact the supplier directly for faster delivery?
(A) Why not
(B) How about
(C) What about
(D) Why don't
こちらはどうでしょうか?
正解は(A)です!
後ろに動詞の原形「contact」が続くので「Why not」が正解です。 「より早い配送のため、直接供給業者に連絡してはどうですか?」という積極的な提案です。
その他の提案表現
省略疑問文以外の提案表現も併せて覚えておきましょう。
What about...?
「How about...?」とほぼ同じ意味で使われます。
What about having dinner together?
(一緒に夕食を取るのはどうですか?)
Why don't we...?
「Why not...?」よりもさらに直接的な提案です。
Why don't we start the meeting now?
(今すぐ会議を始めませんか?)
Let's...
最も直接的な提案・勧誘表現です。
Let's discuss this matter tomorrow.
(この件について明日話し合いましょう)
まとめ
省略疑問文のポイントは、構文と文脈に応じた適切な選択をすることです。
- Why not + 動詞の原形 → 積極的・直接的な提案
- How about + 名詞/動名詞 → 丁寧・控えめな提案
この使い分けを理解して、後続語句の形に注意すれば、Part5での正答率が確実に上がります。
次回のTOEICでは、省略疑問文を見たら「積極的?丁寧?」「後ろは何形?」と考える習慣をつけてくださいね!