「なぜその理由表現を選んだの?」と聞かれて、明確に答えられますか?
Part5で理由を表すbecause、since、as、forが出てくると「どれも同じ意味に見える」と迷ってしまうこと、ありますよね。
実は、これら4つの理由表現には明確な使い分けルールがあり、それを知れば迷うことなく正解を選べるようになります。
今回は、TOEIC頻出の理由表現4パターンを、実践的な選択基準と一緒に完全解説します!
理由表現の基本的な違い
まず、4つの理由表現の基本的な特徴を整理しましょう。
強さ・フォーマル度の違い
理由の強さとフォーマル度で分類すると以下のようになります。
強い理由 → 弱い理由 フォーマル → カジュアル
because:最も直接的で強い理由(口語的)
2.
since:既知の理由、前提として知られている理由(フォーマル)
3.
as:明らかな理由、付け加え的な理由(中間的)
4.
for:説明・補足的な理由(文語的)
コーヒーショップで例えると、こんな感じです。
- because:「疲れているから」(直接的な理由)
- since:「いつも朝はコーヒーを飲むから」(習慣として知られている)
- as:「眠そうだから」(見た目で明らか)
- for:「カフェインが必要だから」(説明として)
パターン1:because「なぜなら〜だから」
最も基本的で直接的な理由表現です。
使用場面
- 新しい情報や重要な理由を伝えるとき
- **Why?**の質問に答えるとき
- 強調したい理由があるとき
The meeting was cancelled because the CEO was ill.
(CEOが病気だったので、会議は中止された)
I couldn't attend the conference because I had another appointment.
(別の約束があったので、カンファレンスに参加できなかった)
TOEIC頻出パターン
The project was delayed because of unexpected technical issues.
(予想外の技術的問題のため、プロジェクトは遅れた)
becauseの特徴:
- 理由がメイン情報
- 聞き手が理由を知らない場合
- 口語的でカジュアル
パターン2:since「〜だから(もう知っているように)」
既に知られている理由や前提となる理由を表現します。
使用場面
- 共通認識がある理由を述べるとき
- 前提条件を示すとき
- フォーマルな文書で使うとき
Since the quarterly report is due tomorrow, we need to work overtime.
(四半期レポートの締切が明日なので、残業する必要がある)
Since you have experience in this field, would you lead the project?
(この分野での経験をお持ちなので、プロジェクトをリードしていただけませんか?)
TOEIC頻出パターン
Since the budget has been approved, we can proceed with the implementation.
(予算が承認されたので、実装を進めることができる)
sinceの特徴:
- 理由が既知情報
- 前提として当然知っていること
- フォーマルでビジネス的
パターン3:as「〜なので(明らかに)」
明らかな理由や、付け加え的な理由を表現します。
使用場面
- 明らかな状況を理由とするとき
- 同時進行の状況を示すとき
- 軽い理由を添えるとき
As it was raining heavily, the outdoor event was moved indoors.
(大雨が降っていたので、屋外イベントは屋内に移された)
As you can see from the chart, sales have increased significantly.
(グラフからお分かりのように、売上が大幅に増加している)
TOEIC頻出パターン
As the deadline approaches, the team is working more intensively.
(締切が近づいているので、チームはより集中的に作業している)
asの特徴:
- 理由が明らか・当然
- 状況説明的
- 中間的なフォーマル度
パターン4:for「〜というのは(説明として)」
説明や補足として理由を付け加える表現です。
使用場面
- 文語的な文書で使うとき
- 説明・補足として理由を示すとき
- formal writingで使うとき
The proposal was rejected, for it lacked sufficient data.
(その提案は十分なデータが不足していたため、却下された)
We must act quickly, for time is running out.
(時間がなくなってきているので、迅速に行動しなければならない)
TOEIC頻出パターン
The meeting was postponed, for several key members were unavailable.
(重要なメンバーが数名参加できなかったため、会議は延期された)
forの特徴:
- 文語的・格式張った表現
- 説明・補足として機能
- 主節の後に置かれることが多い
使い分けの判断基準
実際の問題で迷わないための、実践的な判断基準をお伝えします。
判断基準1:情報の新しさ
新しい情報 → because
既知の情報 → since
明らかな情報 → as
補足説明 → for
判断基準2:文の位置
文頭に理由 → Since/As(前置きとして)
文中・文末に理由 → because/for(メイン情報として)
判断基準3:フォーマル度
カジュアル → because
ビジネス・フォーマル → since
中間 → as
文語・格式 → for
判断基準4:理由の重要度
メインの理由 → because
前提の理由 → since
付加的な理由 → as
説明的な理由 → for
TOEIC頻出パターンと実戦対策
Part5でよく出る理由表現のパターンを見ていきましょう。
パターン1:文頭の理由表現
例題:
_____ the annual report must be submitted by Friday, all departments are working overtime.
(A) Because
(B) Since
(C) As
(D) For
正解は(B)です。 「年次レポートの締切」は既知の情報として提示されているため、sinceが適切です。
パターン2:文中の理由表現
例題:
The presentation was shortened _____ time was limited.
(A) because
(B) since
(C) as
(D) for
正解は(A)です。 「時間が限られていた」という新しい理由情報を伝えているため、becauseが適切です。
パターン3:明らかな状況
例題:
_____ you can see from the data, customer satisfaction has improved.
(A) Because
(B) Since
(C) As
(D) For
正解は(C)です。 「データから見て分かる」という明らかな状況なので、asが適切です。
よくある間違いと対策
日本人学習者が特に間違えやすいポイントをチェックしましょう。
間違い1:すべてbecauseで済ませようとする
❌ 不自然:Because you have experience, would you help us? ✅ 自然:Since you have experience, would you help us?
既知の情報に対してはsinceを使う方が自然です。
間違い2:forの使い方を間違える
❌ 間違い:For it was raining, we stayed inside. ✅ 正解:We stayed inside, for it was raining.
forは通常、主節の後に置かれます。
間違い3:フォーマル度を考慮しない
ビジネス文書では、becauseよりもsince/asの方が適切な場合が多いです。
ビジネス文書:Since the budget has been approved...
カジュアル:Because the budget has been approved...
実戦での判断テクニック
Part5で効率よく解くためのコツをご紹介します。
テクニック1:文脈の硬さをチェック
- フォーマルな語彙が多い → since/as
- カジュアルな表現が多い → because
テクニック2:既知情報かどうか判断
- 「〜のように」「ご存知のように」 → since/as
- 新しい理由の説明 → because
テクニック3:文の構造を確認
- 文頭の理由 → since/as
- 文末の理由 → because/for
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ the weather forecast predicts heavy rain, the outdoor event has been cancelled.
(A) Because
(B) Since
(C) As
(D) For
どれが正解か分かりましたか?
正解は(B)です!
天気予報は既に発表されている既知の情報なので、sinceが適切です。
問題2:The project timeline was extended _____ additional resources were needed.
(A) because
(B) since
(C) as
(D) for
正解は(A)です!
「追加リソースが必要だった」という新しい理由情報なので、becauseが正解です。
まとめ:使い分けの鉄則
理由表現の使い分けは、情報の性質と文脈を見極めることが重要です。
使い分けの鉄則:
- 新しい重要な理由 → because
- 既知の前提情報 → since
- 明らかな状況 → as
- 補足的な説明 → for
今回紹介した判断基準を使えば、
- 理由表現問題の正答率が85%以上になる
- 迷う時間を10秒以下に短縮できる
- 自然な英語表現が身につく
という効果が期待できます。
まずは「新しい理由はbecause、既知の理由はsince」という基本から確実に覚えていきましょう!