「Weather permitting, we will hold the event outdoors.」この文の構造、理解できますか?
Part5の上級レベルで出てくる分詞構文の独立用法で「主語が違うのになぜ正解?」と困惑したこと、ありますよね。
実は、分詞構文には主語が異なる場合でも使える3つの特別なパターンがあり、これを知らないと800点台の壁を越えることが難しくなります。
今回は、TOEIC上級者が必ず押さえるべき分詞構文の独立用法を、見抜き方のコツと一緒に完全解説します!
分詞構文の独立用法とは
まず、分詞構文の独立用法の基本的な概念を整理しましょう。
通常の分詞構文では、主節と従属節の主語が同じである必要があります。
通常の分詞構文:
Walking to the station, I met my colleague.
(駅まで歩いているとき、同僚に会った)
→ I was walking / I met (主語が同じ)
しかし、独立用法では主語が異なっても分詞構文を使うことができます。
独立用法の分詞構文:
Weather permitting, we will hold the event outdoors.
(天気が許せば、屋外でイベントを開催します)
→ Weather permits / We will hold (主語が異なる)
これは、まるで電車の連結のようなものです。 通常は同じ路線(主語)の車両同士しか連結できませんが、特別な連結器(独立用法)があれば異なる路線も連結できるんです。
独立用法の3つのパターン
分詞構文の独立用法には、主に3つのパターンがあります。
パターン1:独立分詞構文(主語を明示)
特徴:分詞の前に主語を明示的に置く
The meeting being over, everyone went home.
(会議が終わったので、みんな帰宅した)
His health improving, he returned to work.
(健康が回復したので、彼は仕事に復帰した)
構造:[主語 + 分詞], [主節]
この形は、分詞構文の中に独自の主語を含めることで、主節とは異なる主語でも使用可能になります。
パターン2:慣用的独立用法
特徴:決まった表現として使われる独立分詞構文
TOEICで頻出する慣用表現をご紹介します。
Weather permitting = If weather permits
(天気が許せば)
Time permitting = If time permits
(時間が許せば)
All things considered = When all things are considered
(すべてを考慮すると)
Generally speaking = If we speak generally
(一般的に言えば)
Strictly speaking = If we speak strictly
(厳密に言えば)
これらは「決まり文句」として覚えておく必要があります。
パターン3:With + 名詞 + 分詞構文
特徴:withを使って独立した分詞構文を作る
With the project completed, the team celebrated.
(プロジェクトが完了したので、チームは祝った)
With many employees working remotely, communication has changed.
(多くの従業員がリモートで働いているため、コミュニケーションが変わった)
構造:With + [主語] + [分詞], [主節]
このパターンは、withが「〜の状態で」という意味を加えて、独立した状況を表現します。
TOEIC頻出パターンと実戦対策
Part5でよく出る独立用法のパターンを見ていきましょう。
頻出パターン1:Weather/Time permitting
最もよく出題される慣用的表現です。
例題:
_____ permitting, the outdoor conference will begin at 2 PM.
(A) Weather
(B) If weather
(C) When weather
(D) Because weather
正解は(A)です。 Weather permittingは慣用的な独立分詞構文として使われます。
頻出パターン2:All things considered
ビジネス文書でよく使われる表現です。
All things considered, the project was a success.
(すべてを考慮すると、そのプロジェクトは成功だった)
頻出パターン3:With構文
例題:
With the deadline _____, the team worked overtime.
(A) approach
(B) approached
(C) approaching
(D) to approach
正解は(C)です。 「締切が近づいているので」という意味で、approachingが適切です。
頻出パターン4:独立主語 + being
例題:
The presentation _____ over, participants moved to the networking session.
(A) is
(B) was
(C) being
(D) been
正解は(C)です。 独立分詞構文では「主語 + being + 補語」の形をとります。
文構造の見抜き方
独立用法の分詞構文を正しく理解するための分析方法をお伝えします。
ステップ1:主語の違いを確認
まず、分詞構文と主節の主語が異なるかどうかを確認します。
The meeting being cancelled, we went home early.
→ 分詞構文の主語:The meeting
→ 主節の主語:we
→ 主語が異なる → 独立用法
ステップ2:パターンを特定
どの独立用法パターンに該当するかを判断します。
- 主語 + 分詞 → 独立分詞構文
- 慣用表現 → 慣用的独立用法
- With + 名詞 + 分詞 → With構文
ステップ3:意味関係を把握
分詞構文と主節の意味関係(時・理由・条件など)を確認します。
Weather permitting, we will have a picnic.
→ 条件の関係(もし天気が許せば)
よくある間違いと対策
日本人学習者が特に間違えやすいポイントをチェックしましょう。
間違い1:通常の分詞構文と混同する
❌ 間違い:
The meeting cancelled, went home early.
(主語なしで独立用法を作ろうとする)
✅ 正解:
The meeting being cancelled, we went home early.
(独立分詞構文では主語を明示)
間違い2:With構文の語順を間違える
❌ 間違い:
With completed the project, the team celebrated.
✅ 正解:
With the project completed, the team celebrated.
With構文では「With + 名詞 + 分詞」の語順を守ることが重要です。
間違い3:慣用表現を分析しすぎる
慣用的独立用法は「決まり文句」として覚えるべきで、文法的に分析する必要はありません。
Generally speaking, this method is effective.
→ 「一般的に言えば」として暗記
実戦での判断基準
Part5で独立用法を効率よく見抜くコツをご紹介します。
判断基準1:カンマの位置
分詞構文の後にカンマがあり、その後に異なる主語が来る場合は独立用法の可能性大です。
_____ permitting, we will proceed with the plan.
→ カンマ後にweが来る → 独立用法
判断基準2:決まり文句の暗記
頻出する慣用表現は暗記しておきましょう。
- Weather permitting
- Time permitting
- All things considered
- Generally speaking
- Strictly speaking
判断基準3:Withの有無
Withで始まる構文では、独立分詞構文の可能性が高いです。
With + [名詞] + [分詞] → 独立用法のサイン
応用:複雑な独立用法
より高度な独立用法のパターンを見てみましょう。
否定の独立用法
The weather not permitting, the event was cancelled.
(天気が許さなかったので、イベントは中止された)
受動態の独立用法
All preparations being made, the conference began.
(すべての準備が整ったので、会議が始まった)
完了形の独立用法
The project having been completed, the team took a break.
(プロジェクトが完了していたので、チームは休憩を取った)
練習問題にチャレンジ
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:_____ speaking, this approach has proven effective in similar cases.
(A) General
(B) Generally
(C) In general
(D) When general
どれが正解か分かりましたか?
正解は(B)です!
Generally speakingは慣用的独立用法の決まり文句です。
問題2:With the presentation _____, the audience asked many questions.
(A) finish
(B) finished
(C) finishing
(D) to finish
正解は(B)です!
「プレゼンテーションが終わって」という意味で、受動の分詞finishedが適切です。
高得点のための暗記リスト
TOEIC Part5で確実に得点するために覚えておくべき独立用法をまとめました。
必須慣用表現
- Weather permitting = 天気が許せば
- Time permitting = 時間が許せば
- All things considered = すべてを考慮すると
- Generally speaking = 一般的に言えば
- Strictly speaking = 厳密に言えば
- Judging from = ~から判断すると
- Considering = ~を考慮すると
独立分詞構文のパターン
- 主語 + being + 補語/過去分詞
- 主語 + 現在分詞
- 主語 + 過去分詞
With構文のパターン
- With + 名詞 + 現在分詞
- With + 名詞 + 過去分詞
- With + 名詞 + 形容詞
まとめ
分詞構文の独立用法は、主語が異なっても使える3つの特別パターンをマスターすることが重要です。
今回紹介した知識を習得すれば、
- Part5の正答率が15%以上向上する
- 高難度問題への対応力がつく
- リーディング全体の理解度が上がる
という効果が期待できます。
まずは頻出の慣用表現から確実に覚えて、段階的に独立分詞構文やWith構文もマスターしていきましょう!