Part6で過去完了形の選択問題に出会って困ったことはありませんか?
「過去形と過去完了形の違いが分からない」と悩む学習者の方は非常に多いです。
実は、過去完了形には明確な使用ルールがあり、時間の順序を理解すれば10秒以内に確実に正解できるようになります。
今回は、Part6で頻出する過去完了形の使い方を、実践的な時間軸とともにマスターしていきましょう。
過去完了形の基本概念
まず、過去完了形の基本的な概念を理解しましょう。
これは映画のシーンを想像してみてください。 現在から見て「昨日会議があった」なら過去形「had a meeting」 昨日の時点で「その前に準備を終えていた」なら過去完了形「had finished preparation」
つまり、過去のある時点よりもさらに前を表すのが過去完了形です。
過去完了形の構造と意味
基本構造
had + 過去分詞
例:
- had finished(終えていた)
- had completed(完了していた)
- had received(受け取っていた)
- had been(いた・あった)
時間的な関係
大過去 ← 過去 ← 現在
(過去完了) (過去形) (現在形)
具体例:
昨日 8:00 に会議が始まった時(過去)、
私はすでに資料を準備していた(大過去・過去完了)
Part6での過去完了形出題パターン
過去完了形問題は、Part6で年間約3-4問出題される重要問題タイプです。
パターン1:時間の前後関係
50%の確率で出題される最頻出パターンです。
例題:
When the meeting started, she _____ already prepared the presentation.
(A) has
(B) had
(C) have
(D) was
正解は(B)です。 会議が始まった時点(過去)で、すでに準備が完了していた(大過去)ので「had」が正解です。
パターン2:時間を表す副詞との組み合わせ
30%の確率で出題されるパターンです。
頻出時間副詞:
- already(すでに)
- just(ちょうど)
- never(一度も〜ない)
- ever(今までに)
- before(以前に)
例題:
The project team _____ never worked on such a complex task before.
(A) has
(B) had
(C) have
(D) was
正解は(B)です。 「before」があり、過去の文脈なので過去完了形「had」が適切です。
パターン3:because, after, sinceなどの接続詞
20%の確率で出題されるパターンです。
時間的な前後関係を明確にする接続詞との組み合わせです。
過去完了形の判断基準
では、実際の判断方法を見ていきましょう。
基準1:時間軸の確認
過去の基準点を見つける:
- When the meeting started...(会議が始まった時)
- By the time he arrived...(彼が到着した時までに)
- After the project ended...(プロジェクトが終了した後)
その前の出来事:
- すでに〜していた
- 〜を終えていた
- 〜を完了していた
基準2:時間を表す語句
過去完了形を示唆する語句:
- already(すでに)
- just(ちょうど)
- never...before(以前に一度も〜ない)
- after(〜の後で)
- by the time(〜までに)
基準3:文脈の流れ
典型的な文脈:
- 過去の出来事を述べる
- その前に起こったことを説明する
- 過去完了形を使用
間違えやすいポイント
日本人学習者が特に間違えやすいのは、以下の点です。
間違いポイント1:現在完了形との混同 現在との関連があると思って「has/have + 過去分詞」を選んでしまう。
間違いポイント2:時間軸の無視 時間の前後関係を考えずに単純に過去形を選んでしまう。
間違いポイント3:過去分詞の形 不規則動詞の過去分詞を間違えてしまう。
実践練習問題
理解度を確認するために、練習問題を解いてみましょう。
問題1:
By the time the CEO arrived, the board members _____ already discussed the proposal.
(A) have
(B) has
(C) had
(D) were
考えてみてくださいね。
正解は(C)です!
「By the time the CEO arrived」(CEOが到着した時までに)という過去の基準点があり、 その前に「already discussed」(すでに話し合っていた)という完了した行為があるので、 過去完了形「had」が正解です。
問題2:
The company announced that it _____ achieved record sales in the previous quarter.
(A) has
(B) had
(C) have
(D) was
正解は(B)です!
「announced」(発表した)という過去の時点で、 「in the previous quarter」(前四半期に)達成していたことを表すので、 過去完了形「had」が適切です。
頻出文脈パターン
Part6でよく出題される過去完了形の文脈をまとめました。
ビジネス会議・プレゼンテーション
典型的な流れ:
- 会議・プレゼンテーションが始まった(過去)
- その前に準備を完了していた(過去完了)
例文:
- When the presentation began, she had already prepared all the slides.
- By the meeting time, we had reviewed all the documents.
プロジェクト・業務完了
典型的な流れ:
- プロジェクトが終了した(過去)
- その前に各段階を完了していた(過去完了)
例文:
- When the project ended, the team had successfully completed all phases.
- By the deadline, they had finished the entire report.
経験・実績の報告
典型的な流れ:
- 現在の状況を説明(現在・過去)
- それまでの経験を述べる(過去完了)
例文:
- He was promoted because he had demonstrated excellent leadership.
- The company succeeded because it had invested in new technology.
時制の使い分け完全ガイド
Part6でよく問われる時制の使い分けを整理しました。
現在完了 vs 過去完了
現在完了(has/have + 過去分詞):
- 現在との関連がある
- 現在まで続く状態・経験
- 現在の結果を重視
過去完了(had + 過去分詞):
- 過去の基準点がある
- その前の完了した出来事
- 過去の時点での結果
過去形 vs 過去完了形
過去形:
- 過去の一時点での出来事
- 単純な過去の事実
- 時間的順序は関係ない
過去完了形:
- 過去のある時点より前の出来事
- 時間的前後関係が重要
- 「〜していた」という完了性
効率的な判断手順
Part6で過去完了形問題に出会ったら、以下の手順で解きましょう。
ステップ1:過去の基準点を探す(3秒)
「when」「by the time」「after」などの時間を表す表現を見つけます。
ステップ2:時間的前後関係を確認(4秒)
基準点より前の出来事かどうかを判断します。
ステップ3:完了性を確認(3秒)
「already」「just」「never...before」などの完了を表す語句があるかチェックします。
この手順で、10秒以内に正解を選択できます。
頻出語句との組み合わせ
Part6で特に頻出する過去完了形との組み合わせをまとめました。
時間を表す接続詞
- When the meeting started, he had already arrived.
- By the time we got there, they had finished.
- After the project ended, we realized we had learned a lot.
- Before the deadline, she had completed the task.
完了を表す副詞
- already(すでに)
- just(ちょうど)
- never...before(以前に一度も〜ない)
- ever(今までに)
- recently(最近)
因果関係を表す接続詞
- because(〜なので)
- since(〜だから)
- as(〜なので)
応用テクニック
さらに高得点を目指すための応用テクニックもご紹介します。
テクニック1:仮定法過去完了との区別
- If he had come...(もし来ていたら)
- He had come...(彼は来ていた)
テクニック2:継続を表す過去完了進行形
- had been working(働き続けていた)
- had been studying(勉強し続けていた)
テクニック3:受動態での過去完了
- had been completed(完了されていた)
- had been discussed(話し合われていた)
まとめ
Part6の過去完了形問題は、時間的な前後関係を理解することが最重要です。
判断基準を覚えて問題を解けば、
- 解答時間が10秒以内になる
- 正答率が90%以上になる
- 英語の時制感覚も向上する
という効果が期待できます。
今回紹介した3つのステップを使って、確実に得点を重ねていきましょう!
次の模試では、まず過去の基準点を探すことから始めてみてくださいね。